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冬眠場所はどこ??

12月29日、小山さんと冬眠穴の調査に行ってきました。
発信器がついているクマがどこで寝ているのか、特定するのです。

まずは道路から発信を確認。
まず発信を確認

クマみたいな小山さんでも、直感で分かるわけではありません
発信する方向を正確に特定し、
遠巻きに見渡せる方向に、斜面を登っていきます。
ときどき小山さんが立ち止まって発信の方向を確認。

登る途中、こんなものを見つけました。
ドングリ食痕k
イノシシかクマがドングリを食べた跡です!

彼らは意外にも、器用にドングリの殻を剥いて食べるので
こうやって殻だけが落ちているのです。

そして、こんなものも。
クマだな全様k
かなり高い位置にあります。
これは、クマが木に登って実を食べた跡。
ドングリがなっている枝を手繰り寄せ、食べ終わるとその枝をお尻の下に敷きます。

そしてできるのが、このクマ棚。
クマだなアップk
この上で、寝ていそうですよね

よくあの不器用そうな手と腕で、こんな細いところまで登れるなぁ。と感心するばかり。
落ちたりしないのかな・・・
こんなクマ棚が一箇所だけなく、数本の木にできています。

そして地面には食べたあとに出すアレ
古いドングリ糞k
この秋頃にドングリを食べたものです。

秋、ミズナラなどのドングリが実ったころ、
クマはこの斜面で冬に生き残るための脂肪を蓄えたのでしょう。

木に登った古い爪跡もいくつもありました。
クマの爪あとk

ここは、まぎれもなくクマが利用していた森、
そして今も利用している森なのですね。

でも実は、すぐ下には車が通れる道路が・・・。
夏には散歩をする人も、ジョギングをする人もいます。
ここで冬眠しているとしたら・・・ちょっと複雑な気分です。
この場所を安住の地にしてほしくはない、そんな気もします。


あっちの斜面のこの方向・・・
もうすぐ近くのはず・・・


小山さんの声が小さく、歩みが慎重になり、緊張した空気が流れます。
もし気づかずに冬眠穴に近づきすぎたら・・・
五感を研ぎ澄まし、細心の注意を払いながら、一歩一歩進みます。

しかしいくら探しても、斜面にはクマが冬眠しそうな穴どころか、
木の根上がりさえ見当たりません。
冬眠しているはずの斜面k
この斜面のどこかで寝ているはずなのに。

いろいろな方角から電波を確認し、やはりこの斜面のマツの木の近くがあやしい!
そこまで絞り込みましたが、タイムオーバー
今回は発見には至りませんでした。

翌30日の午前中、小山さんが一人で再チャレンジしましたが、
やはり発見できず。

もしかしたら、発信器が落ちているかもしれない。
そんな可能性を残しつつ、
この冬眠穴探しが2009年最初の調査になりそうです。

ちなみに、今回の森には他の動物の痕跡もありました。
シカが樹皮を食べた跡や、大きな動物が休んだ跡やら。

いろいろな動植物が生きる森。
その密度の濃さに感慨深いものを感じつつ、
そんな森と人の生活圏の近さを再度実感し、
その近さゆえに起こる問題をどうしたらいいんだろう。
動物たちが人由来のものを食べずに生きられる環境をつくっていくには・・・

そんなことを思いながら、森を後にしました。
調査終了k


2009年は今年より
人と動物、人と自然の関係が良くなることを願って。

2008年、本当にありがとうございました。
2009年もどうぞよろしくお願いいたします。
よいお年をお過ごしください。

大江






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