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脱落した発信器の捜索

昨日、ある監視中のクマの発信器が脱落した可能性があるので捜索に行きました。

発信器は革製のベルトでできた首輪型をしており、
その電池の寿命は約3~4年。

ちょうど電池寿命が切れるくらいに、
発信器を脱落させる仕組みにして取り付けます。

軽井沢は長野県と群馬県の県境の町。
このクマは県境を跨ぎ活動していたメスのクマで、
発信器を取り付け、ちょうど3年ほど。

受信機で発信器の電波を頼りに山中を進みます。
今回は護衛も兼ねてベアドッグのタマも同行です。

170506 tracker with tama

発信器はかなり山の奥の急峻なところに落ちているようです。

この状況でベアドッグをリードに繋いで歩いていると、
人も犬も疲れるし、危険なので、オフリッシュ(リードを外した状態)で進みます。

170506 tama2

タマもすでにオフリッシュ・コントロールの訓練ができていますので、
コマンドで指図しながら行きました。

170506 tama3

約1時間半程山中を進み、
ようやく見つけました。

170506 tama found radio collar

発信器が外れたクマはこれで自由です。

私たちは発信器の寿命の約3年の間に、それぞれのクマがどんな個性をもった個体なのかを調べ、
人の生活エリアで行動することがある場合、もしくは、人への警戒心が薄い等、共存していく上で
不都合な行動を示す個体は、追い払いを繰り返しながら行動矯正していきます。

発信器が脱落するまでの間に、どれだけクマたちのことを知り、どれだけのことをしてあげられるか。。。
それが発信器を取り付けさせてもらったクマたちへの恩返しだと思っています。

田中 & タマ
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実践モードに切り替えです

昨日、今年初のイノシシ、シカ用のワナにクマがかかる錯誤捕獲がありました。

長野県の東信地域でこうした捕獲が発生した場合、私たちは長野県のクマ対策員として、
クマに麻酔をかけて、ワナから解放する作業を担当しています。

作業終了後、タマに今シーズン初めて、
本物の(麻酔中の)クマを見せました。

170503 first trial

これからクマの活動シーズンに突入していきます。
タマを実戦モードに切り替えるに充分な機会となりました。

今シーズンも、気を引き締めてがんばります。

田中&タマ