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冬の寒さにも負けず

12月も下旬になり、いよいよ冷え込んできました。
野鳥の森入口では、今朝9時の時点でマイナス6℃でした。

先日、International School of Asia, Karuizawaのみなさんと、森へセンサーカメラの回収に行きました。

センサーカメラ回収

みなさんにとっては、入学してから初めて迎える軽井沢の冬になります。
それぞれ、インド、タイ、アメリカがご出身ということで、粉雪の舞う尾根は寒く感じたことでしょう。

でも、からだを寒さになじませて、また森へ行きましょう!
きっと、この時期ならではの素敵な景色に出会えると思います。

クマが登ったイヌブナの木の下で

そうでした。
回収していただいたセンサーカメラには、シカ、イノシシ、クマなどが写っていましたよ。
また見にいらしてください。

  玉谷
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クマ棚がたくさんできています

「クマ棚」とは、樹上でクマが木の実を食べる際に枝を折り、それが棚のようになったものです。
今年は林でクマ棚をよく見かけます。

クマ棚いっぱい

ウワミズザクラというサクラの木に、クマ棚がたくさんつくられたのも今年の特徴でした。
この木は特別に数が多いわけではない割に、糞の中からたくさんの種が出てきたことからも、クマの大好物であることがわかります。

ウワミズザクラ実
ウワミズザクラの実

ところで、クマ棚がたくさんつくられるのはどんな条件の時なのでしょうか。

私がクマであれば、
・まわりにあまり食べ物がなく、その中で豊作の木を見つけた時
・大好物の木が豊作だった時
にクマ棚をつくります。

皆様はどのように思われますか・・・

  玉谷

糞分析 その二

軽井沢の秋はあっという間に終わり、今年も白と黒の冬景色になりました。
先月までどんぐりを探して動き回っていたクマたちも、冬を越す場所を無事に見つけることができたようです。

初冬の浅間山

前回に引き続いて、糞分析の話題をお送りします。

糞分析の目的は、クマが何を食べているのかを知ることです。
そのために、糞をざるの上で水洗いする必要があります。

事務所を引越ししたばかりなので、今回は屋外での作業となりました。
保管用の冷凍庫から出してもとけないので、いったんお湯に浸けてとかします。

今年の春から秋にかけては、180個以上の糞を集めました。
寒くなる前に作業を終わらせたいね、とは毎年言っているのですが・・・

完全防寒

以前は糞にビニールや野菜くずなどのゴミが含まれていることもあったのですが、今回は畑で拾った糞からトウモロコシが出てきたのを除くと、ほかは草や木の実など自然由来のものしか確認されませんでした。
ゴミを含んだ糞がみられなくなったのは、クマに開けられないゴミ箱を導入してきたことや、人家近くでの追い払いが成果を上げてきた証拠です。

一方で、人家近くでよく見かけるものが出てきました。
例えばウワミズザクラの種や、
ウワミズザクラ糞

マムシグサの茎や根です。
マムシグサ糞

いずれも森の奥よりも道路沿いで見かけることが多いです。

クマたちは私たちの近くで、人知れずこうしたものを食べているのですね。
新たな「ごみグマ」を生み出さないようにするのはもちろんのこと、隣の「山グマ」たちと折り合いをつけていくことが求められています。


最後になりましたが、International School of Asia, Karuizawaの皆様、佐久市、東京、岐阜からお越しいただいた皆様におかれましては、寒い中での作業にご参加いただき、ありがとうございました。
この場を借りて御礼を申し上げます。

  玉谷

The Analysis of bear's scat with ISAK

11月30日、インターナショナルスクールオブアジア軽井沢(International School of Asia, Karuizawa/ISAK)の学生3人がクマチームにお手伝いに来てくれました。

ISAKは今年8月、軽井沢に開学した全寮制のインターナショナルスクール(高1~3年生)です。
開学以来、毎月ピッキオのお仕事を手伝いに来てくださっています。

今回はクマの糞分析。

the analysis of bears feces

本当に楽しそうに、また主体的にがんばってくれました。

washing feces in basket

私も、この調査の意義やクマの生態の話をしながら、一緒に行いました。
彼らも学校の中の話を色々してくれました。

「いや~、この調査を考えた人はすごいな。」
「クマは冬眠中、起きていても動かない。なんて、忍耐づよいんだろ~」
「綺麗な色のうんち、いや~いいにおいするよ」
「私たちは一期生で、学校や寮もまだ未完成な部分あるから、自分たちで話し合い使いやすいようにデザインしてるんだ」
「ピッキオのお仕事をこれらかもお手伝いしていく上で、自分たちに何ができるのかグループディスカッションしているんだ」

彼らは1期生で、年齢は16~17歳。国籍もさまざま。
私が驚いたのはその自立心、物事を自分で考えようとする主体性、そして創造性…

などなど。

親元を離れ、国際色豊かな学生たちで、尚且つ、ISAKのパイオニアたち。
さすがでした。

日本の高校生たちも、彼らとコラボすることがあったら刺激を受けるだろうなと思いました。
もちろん、私も刺激を受けたひと時でした。

サンキュー、コウキ、アシュリー、パオロ!!

田中