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ドラム缶檻の居心地

こんにちは!はじめまして

ツキノワグマ保護管理インターン生の金子です。私は8月エコツアーの方でたんけん!はじめての森の隊長を、そして9月1日から3週間クマチームに参加させていただきました。ピッキオで過ごした約2ヶ月は本当に一瞬でした。毎日発見があり、楽しくて…帰りたくないのが本音です。

インターン中にたくさんのことを経験しました。その中の一つであるドラム缶檻の設置について書きたいと思います。
ピッキオではクマを捕獲する際、ドラム缶檻を使います。中にワイヤーでつながれたクマの大好きなハチミツを仕掛け、それをクマが引っ張ると檻の入口のフタが閉まる仕組みになっています。
ある日、放獣した後にそのまま檻を再設置するとなり、ウンコだらけの檻を掃除してハチミツを引っ掛けるためにドラム缶の中に入りました。掃除したとはいっても洗いたてなのでニオイやらウンコの残りやらで汚いです…。
この中に入って思いました…日陰に設置してあるのに中は蒸し暑く、暗い、クサい(クマにとってはクサくないかも)、狭い、汚い…悪いことばかりです。しかも大好物のハチミツを食べに入ったら出られなくなったとパニックになってしまうかもしれないですし、居心地の悪いところにいるのはきっと不安だと思います。

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ハチミツを片手に檻の中にイヤイヤ入りましたが、少しクマの気持ちになれました?し、普段の生活では絶対できないことをしたのでとても満足です!

コピー ~ P1050110

これはほんの一部ですが、このように毎日が初体験のことばかりですべてが新鮮…とても充実した3週間でした。

それでは暑い関西へ帰り、秋の大学生活に戻ります…

同志社大学 金子知美
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きつね特集

こんにちは!
神奈川県は藤沢からやって来ました、クマチームの中野です。
さて今回私が書く内容ですが、キツネについて語りたいと思います。
何故、キツネなのか?それは単純明快、僕がキツネ好きだからです!!
イヌ科ではオオカミに次ぐ端整な顔立ち、手触りもふもふそうな尻尾、そして夜間は野ネズミが恐れおののくハンターになるという…。個人的に魅力的な点が多くある「キツネ」、インターンでの活動と共にお話しします(クマに関しては他の方の記事をチェック!)

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「軽井沢にはキツネがたくさんいるなぁ!」
僕はインターンシップを始めて、その点を不思議に思いました。
日本のキツネはアカキツネの二亜種がおり、北海道に「北の国から」でおなじみのキタキツネ、その他本州・九州などにホンドキツネが生息しています。
軽井沢のキツネはこの後者に当たり、北海道には劣りますが、その生息密度の高さは夜間巡回にて車内から何度も観察できたことで僕は実感しました。
大学の調査でよくお隣の群馬県に訪れるのですが、フィールドに出てもカメラを仕掛けても中々その姿を確認できていません…。
下層植生の違いや餌となる野ネズミの密度、軽井沢の観光客による餌付け(昔と比べ減少傾向ではあるようです)などの要因が絡んでいるのかなぁ…とぼんやり思っています。

またピッキオではカメラトラップを用いた哺乳類の行動圏の調査を行っています。
主な調査対象はツキノワグマであり、通行ルートとして怪しそうな獣道に設置して、後日回収し何かが写っていなかったかデータを確認します。
僕も職員の方とカメラ設置に林へ向かったり、カメラデータ解析のお手伝いをインターン期間中に行いましたが、本当に多様な動物たちが写っていたことを覚えています。
その中で野ネズミをくわえたキツネを確認することができました!

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現在、日本各地でシカの食害が問題となっており、この軽井沢にもどうやら侵出しつつあるようです…(僕も事務所から寮への帰り道に姿を見ました)
今はシカが全盛期ですが、一昔前は野ネズミの食害も主に北海道で問題となっていました。
そこで、もしも主食がネズミであるキツネの数が減ってしまったらどうなるでしょう?
増えすぎたネズミがシカとタッグを組んで各地域の植物や樹木が恐ろしい早さで根こそぎぶん取られてしまうビジョンが見えてしまうかもしれませんね…。
そんな未来にしないためにも、クマ・ムササビ・トンボ・チョウ・色んな植物etc…そしてキツネといった生物多様性を構成する仲間たちを一種たりとも失わしてはなりません。
先に話したシカやネズミだって同じであり、多すぎず少なすぎない良い個体数を保つことで環境への悪影響はなくなり、非常にバランスの取れた環境となるでしょう。
キツネの話から、だいぶスケールの大きい話になってしまいました…。
それではこの辺で!

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日本大学 生物資源科学部 森林資源科学部
中野 太九朗


野生動物とのお付き合い

こんにちは!
クマチームのインターンの山崎です。
3週間!!はじめは長いなと思っていたけれど、実際に来てみると毎日がとても充実していて、終わってみるとすごくあっという間でした。3週間、ここでしかできないような様々な体験をさせてもらいました。その中でも、私は夜中・早朝の作業について少し書きます。

毎晩、町をまわりながら、クマが今どこにいるのかを調べます。軽井沢は有名な別荘地であり、森の中にも別荘がたくさんあり、クマが住むところと、人が住むところの境目があやふやです。なので、クマが別荘の多いところや町の近くにいないかチェックするのです。

コンパスを使って、地図上に記す↓
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チェックして、もし、もしかしたら人と出会ってしまうかもしれないような場所に居たら、追払いという、クマがいるところの近くに行き、声や花火などの音を使って森の中に行ってもらいます。私はこれをはじめてしたときにクマと人との距離が思っていた以上に近いということにとても驚きました。けれど、それと同時にクマがいかに人を避けながら生活しているのかということも強く感じました。場所を追跡してまでクマを追ってもクマの姿はなかなか見られません。なので、人が「ここにいるよ!」と鈴などで音を立てたりしていれば、遭遇する可能性が低いことを知り、クマに対するイメージがすごく変わったなと感じました。

追払いで見つけたクマのほじくった木↓
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最後にこれは別荘地で出会ったキツネ。すごく可愛いですが、このキツネは人に餌付けされてしまったようです。このように人が動物を引き付けてしまうこともあると知りました。
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この貴重な経験をこれからに生かしていきたいです。

日本大学  山崎 水葉

たくさんのことを学びました。

こんにちは!クマチームインターン生の半澤です。
長いと思っていた3週間もあっという間に過ぎてしまいました。
毎日新しい発見があり、忙しくも濃く楽しい日々を過ごさせていただきました!
そんな私が初めてのクマに触れることができたのは、インターン生活3日目の錯誤捕獲でした。
錯誤捕獲とは、本来イノシシやシカ用のためにかけた罠に誤ってクマがかかってしまうことです。現地に向かう途中、今回かかったのは網状で外が丸見えになっている箱罠だと聞いていたので、きっと威嚇されて迫力もすごいだろうなと恐る恐る罠に近寄ってみると...

半澤1 


...ん?この子ほんとにクマ?と思ってしまうほどおとなしいんです!もしかしたら夜の間に出ようとして力尽きてしまったのかも知れません。これは後に様々なクマと出会ってから分かったのですが、クマによって人に対する警戒心も麻酔の効き方も全然違うようです。実際、同日に同じ場所で箱罠にかかったもう1頭のクマはこのクマよりも10キロ近く小さいにもかかわらず、近づくや否や飛びかかる勢いで威嚇してきました。
このクマはその後、麻酔を打たれ体の大きさの計測や歯や体毛のサンプルを取った後、山奥に放獣されました。

半澤2 半澤3

このような捕獲や放獣作業はクマと直接関われ、様々な作業の中でも特に貴重な体験ができると心が躍るのですが、もう一つ欠かせない大事な作業があります。それは、クマ被害に対する防止策を考え、実行することです。人里に降りてきてしまったからといって直ちに駆除してしまうのではなく、人間側もクマが近づいてこないよう最善を尽くすことが、クマにとっては命の尊重に、人間側にとっては連続被害の防止へとつながるのだと思います。先日、餌目的で出没するクマへの対策として仕掛けに行ったのがこの装置です!

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この仕掛けの仕組みを説明すると、クマスプレーの下にペットボトルがあり、その中におびき寄せるための飼料があります。それをクマが食べようと引っ張るとクマスプレーが噴射しクマの顔に直撃するという仕組みです。センサーカメラも仕掛けたのでこれからの効果が楽しみです。このような装置を考えるのもクマの習性を考慮したりなど楽しいです。
以上、近況報告でした!

日本獣医生命科学大学 半澤 真帆