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来日するベアドッグ2頭が決定!

アメリカ・モンタナ州にあるWind River Bear Institute2014年3月25日に産まれた7頭のベアドッグの子犬たち

5月中旬から続けられてきた子犬たちのクマ対策犬として訓練課程に進めるかどうかの適性試験や、ハンドラー候補者とのマッチングが約1ヶ月かけて、この度、やっと終了しました。

その結果、ベアドッグになるための適性試験に合格し、私と新ハンドラーの大嶋にマッチングしたのは「たま(=Tama)」と「ナヌック(=Nanuq)」という子犬たちでした。

まずは私、田中とマッチングされたのは、なんと産まれた時にWRBI代表のキャリーさんがブレットへの敬意を表し、ブレットの日本語訳で「たま(弾=Bullet)」と名づけられたあの子でした。先のブログでもご紹介したメスの子犬です。

適性試験で合格できなければ、そもそも私とのマッチングは無かったのですが、トップクラスの成績で見事に合格。そして、彼女の性格や能力は、私や私の家庭環境との相性とぴったりだったようです。これにはWRBIのスタッフの皆さんも驚きだったようです。本当に天国から舞い降りてきたようです。

そして、新ハンドラー大嶋とマッチングされた子犬は「Ivan(イヴァン)」というオスの子犬。ハンドラーに決定した者は、産まれた時に付けられた名前を変える権限が与えられています。そこで大嶋はこの子を「ナヌック(=Nanuq)」と名付けることにしました。「ナヌック」とは、カナダの北極圏の原住民イヌイットの言葉で「クマ」という意味です。
彼は学生時代の長きを過ごし、親交もあるイヌイットへの思い、そして、クマへの思いをこの名前に込めました。

Tama Carrie

NanuQ Carrie
(写真:WRBI  ~キャリーさんと上:Tama、下:Nanuq)

皆さま、これから十数年間、軽井沢の、そして日本の人とクマとの共存のためにがんばってくれるこの2頭をどうぞよろしくお願い致します。

本当は今すぐにでも日本で一緒に訓練を積み重ねて行きたいのですが、この2頭が来日するのは、日本の検疫制度の関係上、来年の2~3月頃になる予定。彼らが来日するまで、私たちは何度もアメリカに渡り、WRBIのスタッフと共に仔犬たちとの結びつきやクマ対策犬になるための様々な訓練を行っていく予定です。

まずは第一弾として、7月1日からの約1週間、アメリカに渡ります。

最後に、WRBI代表のキャリーさんからの聞いた「たま」と「ナヌック」の特徴を各ハンドラーから紹介します。

まずは私から。
「たま」はメスですが体が大きて強く、その性格は非常に柔軟で寛容、さらに思慮深く、どんな状況でも最善の決定ができるようです。また、特徴として目と鼻をバランスよく使うことができ、すでに空気と地面の匂いをうまく嗅ぎ取りながら探索できるようです。もちろん働くことが大好きで、彼女の素質を見たキャリーさんは「WRBIの元祖リーダー犬“キャシー(Cassie)”の子犬の頃とそっくり。まるで訓練を受けた成熟した犬のようだ。」とおっしゃっています。ブレットの素質もすばらしいものがありました。しかし、それにも勝る素質を持つようです。この素質をさらにどこまで伸ばすことができるか、ハンドラーとしてよい意味でプレッシャーがかかりますが、ブレット育成の経験を活かしてがんばります。

Training(tama).jpg
(写真:WRBI ~クマの毛皮の臭いをかぐ「たま」~)

新ハンドラーの大嶋です。
「ナヌック」についてお知らせします。ナヌックは体格がよく大きな犬になるとのことです。とてもハンサムで、2004年当初にキャリーさんが初来日した際に連れてきた“キャシディー(Cassidy)”に似ているとのことです。クマ対策犬として必要な素質である視覚や嗅覚は十分に持ち合わせており、勇敢でありつつ冷静であり、とてもフレンドリーで利口な犬だそうです。今後、クマ対策犬のハンドリングをしっかりと学び、犬の持っている能力を最大限発揮できるようにがんばりたいと思います。

Training(Nanuq).jpg
(写真:WRBI ~クマの毛皮を見つけてかじる「ナヌック」~)

ベアドッグハンドラー 田中&大嶋より

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「次世代ベアドッグ導入プロジェクト」は、個人や企業・団体など、
多くの皆さまのご支援により行われております。
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はじめまして

はじめまして、6月よりクマ対策チームでお仕事をさせていただいております大村亮太(おおむらりょうた)と申します。
小さいときから生き物が好きで特に野生動物にかかわることがしたいと思い、地元の神奈川県では傷病鳥獣救護のボランティアをしていました。ボランティア活動では運ばれてくる動物の数の多さに驚かされ、自分たちの何気ない生活の中に動物たちを傷つける原因があることを感じてきました。それとは逆に農業被害などの軋轢もあり野生動物との共存の難しさも感じ、もっと彼らのことを知りたいと思うようになりましたボランティア活動でも色々な動物たちを見てきましたが、ツキノワグマを見るのは初めてです。
oomura
看板設置作業中

初めて見たクマは体重126kgのかなり大きいオスグマでした。首が太く上半身もがっちりしていたためかなり迫力がありました。軽井沢はとても豊かな自然に囲まれているからこそ彼が生きてこられたのだろうと思います。

zennsinn
男性6人がかりでやっと軽トラまで運ぶことができました。

kubimawari
首囲70cmにビックリ

生き物相手にお仕事をさせていただくのは初めてです。ここでは色々な経験ができ自分を成長させ、色々な考え方を得られる絶好の機会です。覚えなくてはいけないことなどがたくさんありますが目の前にあることを1つずつしっかりとこなし、頑張っていきますのでよろしくお願いします。