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鳥獣慰霊祭を行ないました。

鳥獣供養のために慰霊祭を行ないました。

 軽井沢町では昨年度、2頭のクマの駆除を行ないました。内、1頭はピッキオで発信器を装着して追跡してきた個体でした。軽井沢町を南北に大きく移動するオスグマで、推定年齢28歳でした。残念ながら2年続けて農耕地に出没し、畑を荒らしていたこと、民家近くの山林に日中潜むなどの行動が確認されたこと、追い払いの効果が見られないことなどから、駆除することにしました。

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 ピッキオでは、今後もクマなどの野生動物の保護管理を行っていく上で、野生動物を止むを得ず駆除していくことがあります。そのため、供養と感謝の気持ちを忘れないために、毎年、慰霊祭を行なうことを決めました。

 *ピッキオでは、軽井沢町役場と話し合いの下、軋轢基準を設け、出没場所や被害、行動など様々な観点からクマ捕獲後の方針が決められます。
 
 大嶋
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町北西部でクマを捕獲しました

先週、町北西部でクマ目撃が相次いでおりましたが、5月19日(月曜日)にその付近の国有林でクマを捕獲しました。

縮小

体重は40kg。推定年齢2歳のオスグマでした。

前回お伝えしたとおり、やはり若いクマでした。
また、目撃情報やセンサーカメラに写ったクマと、サイズや毛並み(ごわついて長い感じ)はそっくりですので、恐らくこの個体が目撃されていたクマの可能性が高いです。

電波発信器を装着し、昨日(5月20日)、町内の奥山にて人を怖がらせるための学習として、銃砲でゴム弾(お尻に硬化プラスチック製の弾を当て痛み与える)や花火弾(爆発音で脅かす)を発砲し、放獣しました。もちろん人の声や鈴の音もしっかり聞かせておきました。

aversive conditioning

その後、昨日夕方は町内で電波が入っていましたが、本日は町内から電波が途絶えました。
町外へ行ってしまったようです。

1~2歳のオスグマというと、これから暮らしていく場所を探してウロウロする、そんな年頃です。
これが機会になって、先日まで出没していた西部小学校周辺には来なくなる可能性もあります。

しかし、また戻ってきたときには、この若グマに場所への警戒心を植えつけるために花火等で追払いを行なっていきます。

何とか捕獲はできましたが、私たちの仕事(監視や追い払い)はこれからが本番です。
このクマとしっかりすみ分けしていけるようにがんばります。

付近の皆様へ
このクマがまた戻ってきた場合、深夜や早朝に大きな花火や鈴、声などで追い払いを行ないます。
どうかご容赦ください。

また、町北西部は国有林と住宅地が非常に近いエリアです。
今後も他のクマが出没する可能性もあります。

今後とも

・お散歩時の鈴の携帯、犬の手綱の装着
・家周りでの夜間のゴミや食料の室内管理

など、どうぞよろしくお願いいたします。

田中

町北西部でのクマ目撃情報

5月上旬から、町内の北西部(西部小学校の1000m道付近)の国有林境でクマの目撃が頻発しています。

目撃された付近を調べていると、昨年の秋、豊作だったコナラやクリがたくさん余って落ちています。

昨年ドングリ

恐らくこれらを食べに出てきているのだと思われます。

現在、付近のパトロールはもちろんのこと、町の携帯メールサービスさる・くまナビネット(位置情報)の他、現場付近にはクマ情報看板を設置して、情報発信と注意喚起につとめています。

情報看板

センサーカメラも多数設置し、出没しているクマや移動経路の特定も行っています。

センサーカメラ0516

目撃情報やカメラ撮影されたクマの大きさから考えて、まだ若いクマのような感じです。
また、発信器も付いていません。

森の中にある軽井沢町では、人と生活場とクマの生息地の区別が付きにくく、何も知らない若いクマがふらっと出てくることがあります。

このようなクマとすみ分けを進めるために、軽井沢町では発信器を装着した上で徹底した追い払いを行っています。
そのためには、まず捕獲しなくてはなりません。

既に捕獲ワナも多数配置しました。
檻設置2

ワナ付近には接近注意の看板も設置しています。
檻看板2

付近のみなさまへ

私たちはクマの気配や歩く音になかなか気付くことができませんが、クマは些細な物音でも人の接近を察してくれます。逆にゴミや食料などの食べさせてしまうと、何度も家周りに出てくることがあります。

以下の点をご注意ください。

・朝夕のお散歩時の鈴などの鳴り物の携帯
・犬のリード(手綱)の着用
・夜間の家周りでのゴミや食料の徹底した管理(室内保管)

ご協力のほど、どうぞよろしくお願い致します。

田中

茶臼山動物園のクマたちとコラボ企画

今年、ピッキオでは東京ガスおうえん基金の支援を受け、子供たちが人と野生動物の係わり方について五感で学ぶことができるリアルな教材開発に取り組んでいます。

その中で、自然界では撮影しにくいリアルなクマの行動シーンを撮影する試みを行っています。

昨日、撮影協力して頂けることになった長野市茶臼山動物園さんを訪問してきました。

福井園長を始め、飼育員のみなさん、すごく協力的で、今後の撮影が楽しみです。

実際にクマ舎に行き、みんなで撮影シーンをイメージしながら話し合いました。

クマ舎


今回の一番の撮影協力者は、茶臼山動物園のツキノワグマのテツとミヤ。
現在、6歳のメスのクマたちです。

テツとミヤ解説

ミヤ
これはミヤちゃん。

人工保育されたクマたちで、新しいものにすごく臆病。

今回、撮影にはいろんな道具(大きな丸太、いつもは食べない物、容器、マネキンなど)を使うので、撮影までにこれらの道具を少しずつ慣れさせる必要があります。
また、様々なシチュエーションを撮影する予定です。

1日にテツとミヤが集中してできる時間も限られますので、慣らし期間も含めると、撮影が終了するまでには今年一杯はかかるかもしれません。

茶臼山動物園の皆さん、そしてミヤとテツと協力しながら、
野生のクマと人との明るい未来のために、少しずつがんばります。

またこのブログでも、撮影状況を報告していきます。

田中

【お知らせ】クマに会わない方法教えます

みなさま

イベント情報のお知らせです。

明日の5月11日(日)11:00~11:45で、星野温泉トンボの湯前「もみの木広場」にて、

「クマに出会わない方法教えます~クマ安全講習~」

を開催します。

地元の小学校では好例の講座で、
1昨日(5月8日)にも、軽井沢西部小学校の全校生徒を対象に開催しました。

受講料は無料、予約も不要ですので、
よぜひクマの特徴を知り、軽井沢での森暮らし、森遊びにお役立てください。

田中

冬眠からあけました

軽井沢の春はテレビの画面を早送りで見ているようです。
中でもアズマイチゲには驚かされます。

side

アズマイチゲは「春の妖精」とも呼ばれ、雪が融けてから木々の葉が出るまでの間に芽を出し、花を咲かせ、枯れます。
その間、ひと月ほどでしょうか。
じつはたくましい根を持っているのですが、地上部では日光とのつかの間の出会いを慈しむかのように、花はいつも太陽を向いています。

さて、浅間山のクマも冬眠からあけて動き始めました。
やはり、サクラが咲き、新緑が広がる頃ですね。

electric fence

先日はシカの被害を防ぐために電気柵を張りました。
動物たちの気配を身近に感じる季節が始まりました。

  玉谷