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子犬たち、外の世界へ(生後1ヶ月)

モンタナ州のWind River Bear Instituteで、すくすく大きくなっているベアドッグの子犬たち。

生後1ヶ月がたちました。

4月 22日には、初めて自分たちで押し扉を開けて、外の世界へ出て行ったようです。

first time outdoor!(L)

puppies(L).jpg
(撮影 Wind River Bear Institute)

ここでも、子犬たちそれぞれの性質を把握するために、野外の囲いの中を探検させながら、新しい臭いや音、環境への反応を確認しているようです。

ブレット(和名:弾/たま)の名をついだ「Tama」もだいぶ大きくなりました。
ブレットの小さなときの表情(特に目)にあまりにそっくりで驚いています。
ほんとうにまた舞い降りてきたかのよう・・・。

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(撮影 Wind River Bear Institute)

ベアドッグ担当 田中

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次世代ベアドッグ導入プロジェクト」は、個人や企業・団体など、多くの皆さまのご支援により行われております。
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クマチームの展示始まりました!

みなさま

ピッキオビジターセンター地階の展示が「ピッキオのクマ保護管理活動」にリニューアルされました。

VC展示(ブログ)

これまでにピッキオクマチームが行ってきた「軽井沢町でのクマとのすみ分け対策」や、3年前から進めている「QUMAプロジェクト」の現状、クマの剥製や頭骨などを展示しています。

ぜひお立ち寄りください。

田中

ブレットへの祈り

昨日(4月19日)はブレットが天国に旅立ってちょうど1年。

ある朝のひととき

昨年、ブレットと別れた時間にお祈りしました。

First anniversary after Bullets death

夜が明けて、家の外に目を向けると、桜が咲いていました。

桜さく頃

毎年、この時期になるとブレットとのことを思い出すような気がしますが、これから迎え入れる子犬のためにも、これを機にしっかり思いを新たにしました。

ピッキオビジターでも、ブレットの写真展をしておりましたが、来週末には、終了する予定です。
写真展

本当に多くの皆様からメッセージを頂きました。

短冊2

ありがとうございました。

また、子犬たちの情報が入り次第、レポートしていきます。
ちなみに、昨日、子犬たちは初めて太陽の光を浴びたようです!


ベアドッグ担当 田中

子犬たちの目が開いた!(生後2週間)

子犬たちの目が開きました!!

3月25日(日本時間3月26日)に産まれたベアドッグの子犬たち。
生後10日目(4月3日)の午後、Alice(アリス)というメスの子犬が一番最初に目を開け、

140403 the first eye to open
(撮影 Wind River Bear Institute :Aliceの左目が開いた!)

その後、生後2週間が経つ頃には7頭すべてが目を開けたようです。

tama open her eyes
(撮影 Wind River Bear Institute :目が開いたTama)

生後5週ごろまでは、はっきりと目は見えていないようですが、
これからは徐々に子犬たちに表情がでてきます。

Wind River Bear Institute の皆さんも、毎日、子犬たちへの献身的なケアと観察が続いているようです。

ベアドッグ担当 田中

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次世代ベアドッグ導入プロジェクト」は、個人や企業・団体など、多くの皆さまのご支援により行われております。

クマの巣“Bear Nest”発見

ヤチヨの冬眠穴に行ってきました。

ヤチヨとは、昨年10月14日に信濃毎日新聞、12月13日に読売新聞で、ツキノワグマの異父双子について報道されました母グマのことです。

発信器の電波を下に、まだ残雪のある山を歩くこと2時間、背丈ほどのササ藪の中に、さっきまでクマが座っていたと思われる寝床を発見しました。これぞクマの巣“Bear Nest”です。真ん中には円形の窪みがあり、お尻がすっぽりと入りそうでした。

P1030308.jpg

クマの巣に座ってみると、とても弾力性がありフカフカでした。太陽が燦々と当たりとても暖かく、遠くには群馬県の町並みがよく見え、人間にとっても最高の場所でした。

IMG_1150.jpg

春になり冬眠から覚めたクマも、すぐには動き出さず穴の近くで休んでいるのでしょうか。
そこから数十メートル離れた岩場の下に冬眠穴がありました。

IMG_1153.jpg


大嶋

無事に冬を越しました

「ジュウゾウ」は昨年9月に軽井沢町内で捕獲された、当時0才のオスグマです。
サル用の小さな発信器を付けさせてもらい、母グマと合流することを願って、捕まった場所で放しました。

1才の子グマは母グマと一緒に冬眠すると言われています。
もしかしたら、母子で一緒にいるところが見られるかもしれないので、冬眠穴を訪ねてみようと思いました。

クマハギ

ジュウゾウからの電波を受信しながら、群馬県側の深い山の中から進んでいきます。
道中、クマによって樹皮を剥がされたスギがあったり、雪渓の上にクマの新しい足跡があったりして、「あちら側」の世界にお邪魔しているような緊張感が高まります。

クマ足跡on雪渓

崖とササやぶに阻まれながら進むこと3時間、ある岩山の頂上に到達しました。
途端に強くなる受信音、漂ってくる獣の臭い・・・

身構えたところ、大嶋が下を指差します。
何と、頂上直下5mほどのところにクマがいました。

カナ・ジュウゾウ親子

三角形の岩山との位置関係が巣箱の入口のような冬眠穴の前で、大きい黒い塊と小さい黒い塊が寄り添っていました。
ジュウゾウの姿は見えませんでしたが、電波の強さからすると、穴の中にはいたようです。

大きいクマには耳タグが付いており、個体識別ができました。
いったいこのクマは、ジュウゾウとどんな関係があるのでしょう。

実は、日本獣医生命科学大学の山本俊昭研究室では、クマの体毛から遺伝子を抽出して親子判定を試みています。
その結果、まさにジュウゾウの母親である可能性の高いことがわかったのです。

ジュウゾウは無事にお母さんと合流して冬を越したのですね!

霧積湖

ところで、地元の猟師さんから、「クマは霧積湖が見える場所で冬眠する」という話をうかがったことがあります。
ジュウゾウの冬眠穴がある岩山からは、確かに湖が一望できました。

  玉谷

※冬眠穴調査は三井物産環境基金による支援を受けて実施しています。

ベアドッグの子犬たち(生後1週間)

 みなさま

 アメリカ・モンタナ州のWind River Bear Institute(以下、WRBI)で3月25日に産まれた7頭の子犬たち。

 生後1週間がたちました。

 子どもたちがお母さんからお乳をもらってお腹一杯になり、みんなすやすや眠っている写真をみていると、なんとも幸せな気持ちになってきます。

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(撮影 WRBI)

 もう既に一頭一頭の子犬の行動パターンを観察しながら、個性を見極める作業が始まっているようです。

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(撮影 WRBI)

 そして、そのためにも出生後すぐに名前をつけたり、毛の模様をスケッチしたりして、個々をしっかり識別しています。もちろん個々に愛情をもって接するためにも。

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(撮影 WRBI)

 名前はWRBIのキャリーさんやスタッフの皆さんのインスピレーションや、毛の模様やどんな状態で産まれてきたかなどで、決めているようです(新オーナーが決まれば、各人で名前を変更することも可能)。

 実は、7頭の中に「Tama(たま)」という子犬がいます。

tama(低)
(撮影 WRBI)

 キャリーさんが日本でがんばったブレットに敬意を表し、ブレット(Bullet=弾)を日本語訳した名前を、彼女のインスピレーションでこの子犬につけてくださいました。

 新オーナーと子犬たちのマッチングはこれからですが、Tamaとは深い縁を感じずにはいられません。

ベアドッグ担当 田中

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次世代ベアドッグ導入プロジェクト」は、個人や企業・団体など、多くの皆さまのご支援により行われております。
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母親ゆずり、父親ゆずり

軽井沢では冬と春がすっかり入れ替わりました。

氷がとけた森の池ではアカガエルが産卵し、そのカエルをノスリというタカが狙っています。
今年はじめて、イノシシが泥をかき混ぜました。

立ち入り禁止
  イノシシに「立ち入り禁止」は通用せず

冬眠穴調査も急ピッチで進めています。
先日は「コナツ」というクマの冬眠穴を訪ねました。
このクマは「ヤチヨ」の双子のうちの一頭で、遺伝子の解析結果によると、オスグマ「ミソ」の子です。
ちなみに双子のもう一頭の父親はミソではなく、クマの繁殖の不思議が垣間見えました。

コナツ0才
       0才のコナツ(2009年)

コナツとは昨年、4年ぶりに再会し、発信器を付けることができました。
電波を頼りに探し出した冬眠穴は、群馬県側の急斜面にあり、ササやぶに覆われていました。

この場所はかつて母グマ「ヤチヨ」が寝ていた場所の近くにあり、ササやぶの中にあるところなどはヤチヨの冬眠穴にそっくりでした。
浅間山麓のクマは大木の根の下、岩穴、樹洞などで冬眠しますが、もしかすると、幼い頃の記憶で穴の種類を選んでいるのかもしれませんね。

コナツ冬眠穴
        ササやぶは安心?

穴の入口にいたコナツは冬眠あけとは思えない、堂々たる姿でした。

父親「ミソ」は夏場の体重で100kgを少し超えるくらいでしたが、体格がとても立派なオスグマでした。
体つきは父親ゆずりかもしれません。

春のドングリ
    灰汁が抜けておいしいはず

冬眠穴のまわりには、昨年落ちたドングリが残っていました。
穴から出た後も、食べ物に困らなそうです。

  ピッキオ 玉谷

※冬眠穴調査は三井物産環境基金による支援を受けて実施しています。