さようなら夏

こんにちは。クマチームスタッフ岡田です。

気が付けばにぎやかな軽井沢の夏は過ぎ、紅葉の10月も終わり、ついに私のクマチームとしての勤務は終了となりました。勤務した5ヶ月が「あっっ」と言う間に過ぎたのは、携わった仕事が興味深いものばかりだったからであり、人とクマの共存を維持するためにすべきことがたくさんあったからです。

この夏を振り返ってまず思い出すことは、ツキノワグマの保全事業を通じて出会った、たくさんの方々との交流です。例えば、ヘアトラップ調査(三井物産環境基金)をインターンの方々と行なったり、豊凶調査(セブン-イレブン記念財団)を一般参加者のみなさまと一緒に実施したり、地元の学校や専門学校等でのクマ講習を通じて生徒さん達と交流したり、電気柵を貸し出している農家の方々とお話したことを思い出します。クマのことを全く知らない方からクマの被害に困っている方まで、様々な環境で生きる、幅広い年齢層の方々との輪が広がったことはクマとの共存を推し進める力になったのではないかと思いますし、何よりも、私自身にとって大きな収穫となりました。

ツキノワグマそのものについても、生態を知れば知るほど謎が出てきて、彼らの魅力にどんどん惹かれていきました。これからも謎に迫っていきたいです。

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(写真)木登りの上手なツキノワグマに特徴的な痕跡である「クマ棚」。あんなに高いところまで登ってドングリを食べ、折った枝を積み重ねていくのですね。一度、クマ棚をつくっているクマを見てみたいものです。

ツキノワグマは人間に危害を及ぼす力を持っています。だからこそ、人間側で対策をとる必要があり、彼らの本当の生き様を知ることは、そのために欠かせないと思うのです。
私自身としては、自然や社会のことなど、様々な分野に対する理解も深めて、クマについて知りえたことを還元できたらなあ、と考えています。

・・・たくさん学ぶ事があり、身も心も痺れる5ヶ月でした。この刺激を今後の人生に活かしていきます。

最後になりましたが、ブログを読んで下さった皆様、ありがとうございました。これからもツキノワグマ日記をお楽しみください!

それでは、クマより一足お先に冬眠させていただきます。。。

  岡田
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野外講座を開講!

今回は、今月15日に開講された「ウンチの授業」に続き、18日に行われた野外講座の模様です。

これまで子供たちには室内講義だけでクマについてお話してきました。
しかし、これでは「どこか別世界の出来事」としてとらえている気がしていました。

そこで、ぜひ一度、地元の子供たちと一緒にクマの出没現場を歩いてみたいと思い立ち、校長先生、教頭先生に持ちかけたところ、ご快諾頂き、今回の野外講座が実現しました。

学校の周辺でこれまでにクマが出た場所を記した地図を片手に歩きます。

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学校周辺は鳥獣保護区の中にあることも知りました。このような場所ではクマものんびり屋さんになることがあるので、これまでベアドッグなどで追い払いをしてきたことも伝えます。

ウンチの授業で自分たちで調べた(クマの餌木になっていた)樹種があるか、確認しながら歩きました。「うゎー、ここにもミズキの木、まだ実が一杯なっているよ」、「クワの木、結構、多いんだね」、「この辺にドングリだらけだよ」と、みんな、声を上げながら歩いて行きます。

また、学校の近くで拾ったクマ糞を洗うと一杯出てきた「アリ」。
クマになった気持ちで蟻の巣がありそうな倒れた木の下などものぞいてみました。

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「うゎ!いたいた。アリ、いっぱいいる。」、「この辺、丸太いっぱいころがってるよ」という会話が聞こえてきます。

そして、これまでは室内でやっていた「クマに出会ったときの対処法」。

これも実際にクマが目撃された場所で、実寸大のクマボードを使ってやってみました。
クマとの距離感や、クマの大きさなども確認しながら対処をおさらいしました。

学校の周りの住宅地や別荘地をほんの少しまわっただけでしたが、子供たちは歩きながら、周辺にクマが出てくることがある理由、日々の鳴らしながら通学している「鈴」の役割についても実感してくれたことでしょう。

やっぱり「百聞は一見にしかず」。
初めて地元の子供たちと森を歩きながら、私もそう実感しました。

今回は、担任の先生だけではなく、教頭先生や理科の先生も同行してくださいました。

みなさま、本当にありがとうございました。

田中

「ウンチの授業」 開講!

10月15日と18日、軽井沢西部小学校の4年生を対象に、クマのウンチを使った実習や野外講座を行いました。

これらは、昨春から軽井沢の全小学校の学年ごとでスタートした「人と野生動物との暮らしを考える特別講座」の一環で、今回、軽井沢西部小学校でトライアル的に開講させていただきました。

これまでは座学がほとんどでしたので、ぜひ子供たちと一緒に身近な森を歩いたり、生の教材を使って実習をやりたいと思っていました。

今回のブログでは、15日に「クマのウンチから見える~クマと森とのつながり~」と題して行った実習の様子をレポートします。

実習では、実際に町内や学校周辺で採取されたクマの糞の内容物を調べました。

子供たちは「ウンチ」というものをじっくり観察する機会がなかったせいか、最初はみんな引き気味・・・。しかし、植物中心の雑食性であるクマのウンチは嫌な匂いもほとんどしませんし、クマはあまり消化がよくなく、食べたものが比較的そのままの状態ででてくるので、徐々に興味がわき、みんなウンチの中身を楽しそうに調べ始めました。

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8つの班に分け、各班で2ずつ、いろんな季節のクマ糞を調べてもらいました。

そして、糞から出てきたものを班ごとに黒板に整理してみました。
みんなで分析結果を確認。

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これで軽井沢のクマたちが「いつの時期にどんなものを食べているか」は一目瞭然。さらに、今夏、学校のすぐそばの森で採取されたクマの糞も細かく調べてみると、蟻やヤマグワ、サクラの種がいっぱい出てきました。

みんな、なぜクマが学校の近くにクマが出てきたか、何となく実感したようです。

さらに、クマはウンチとともに種を運び、森をつくっていると言われています。
これをみんなで実感してみたいと思い、最後に班ごとにクマの糞から出てきた種をプランターに植えてみました。

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来春になり、ここから芽が出れば、みんなの心にも新たな自然やクマとの共存の心が芽生えてくれるのではと期待しています。

次回のブログでは18日に開催した野外講座の様子をレポートします。

ピッキオ 田中

これらの様子は信濃毎日新聞でも紹介されました。

軽井沢版 路上のルール(インターン日記)

こんにちは。
ピッキオインターン生の八木と申します。

今回はクマチームの夜シフトについて書きたいと思います。
ただ、夜間にクマの居場所を把握して、状況によっては追い払いを行う・・・などの説明はこれまでのインターンの方々がしていらっしゃいますので、私は夜シフトの最中に出会った生き物たちについてご紹介いたします。

日中にはあまり見かけない生き物たちも、夜間には道路上でその姿を見せてくれます。
移動中に彼らを見つけることは助手席の私の仕事で、我が物顔でふるまう彼らと出会うのはとても楽しみでした。

ノウサギ

最近は見かけることが減ったというノウサギも見てしまいました!
こちらを見向きもせず、道路の真ん中で森の方をしきりに気にしており、約2分後に森の中へ姿を消しました。

結局クマには出会えませんでしたが、タヌキやシカは何度か見かけました。

見ものだったのは、キツネとカルイザワヤマネコの喧嘩です。
動物どうしは臭いや音など、さまざまな手段を使って、必要のない接触を避けていると聞いていましたが、それでも衝突してしまうことがあるようです。

ネコとキツネ

ところで、今回のインターン期間中には、道路でヘビの死体をたくさん見ました。
車に轢かれたヘビの中には、温かいアスファルトの上でひなたぼっこをしていたものがいたのではないでしょうか。

道路の利用者には人間と車のほか、生き物たちもいることを頭に入れて、常に安全運転を心がけていきたいものです。

  東京コミュニケーションアート専門学校 八木 成生

微笑ましいクマの親仔

 先日、QUMAプロジェクト(三井物産環境基金様より助成を頂きクマの生息頭数を把握する調査)の調査地点にセンサーカメラを設置したところ、クマの親仔の微笑ましい画像が撮れました。

センサーカメラを設置した目的として、調査地点の近くの檻に0歳のクマが捕まり、はぐれてしまった母グマと再会できるか否か調べることでした。

この時期、0歳のクマはまだ独り立ちできるほど、食べ物を見つける知識を母グマから得られていません。そのため、母グマと出会うことができなければ死んでしまう可能性もありました。

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<暗くて分かりづらいですが、写真には、立ち上がる母グマと兄弟グマ、そして発信器を付けた0歳クマの3頭が写っています。>

母グマだけでなく、兄弟?にも再会することができ安心しました。無事に大きく育って欲しいです。


大嶋