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夜の巡回

私のインターン生活は1ヶ月を超えましたが、本当に毎日充実した日々を過ごすことができます。
今回は業務の1つ“夜の巡回”を紹介させて頂きたいと思います。

夜間巡回

夜の巡回とは、町内から電波の入感がある発信機をつけたクマの位置を調べることです。
そして住宅地や別荘地など、人に近い位置にクマが出てきていれば、花火やベアドッグで、クマがいても問題のない場所(国有林等)まで追払います。


アンテナを振って分かるのはクマのいる場所ではなく方角です。
つまり1箇所でアンテナを振ってもクマがどこにいるかは分からないので、車で移動して、複数箇所から振って、ようやくクマの場所が特定できます。


しかし地形の影響などで尾根で陰になったり、対斜面に反射し、うまく受信できないこともあります。
スタッフはどんな難しい状況でも確実に電波をキャッチし、地図に線を引き、クマの位置を特定していきます。

挿入図


そのような作業を真っ暗な夜に、雨が降っても毎日欠かさず行っています。

とても大変な仕事です。
しかしプロの技術と多くの取組みの積み重ねがあるからこそ、クマによる被害を減らすことができ、安心した生活が守られるだと思いました。



休日

ところで休みの日には車坂峠から黒斑山、蛇骨岳、鋸岳とまわってきたのですが
とても楽しかったです!

後ろに見えるのが浅間山です。


国際自然環境アウトドア専門学校 佐々木隆雄
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3週間のインターンシップを終えて

クマの事が知りたい!と思い、愛知県から軽井沢にやってきました。

ここに来る前は、優雅で静かなリゾート地を想像していて、野生動物が出てくる様なイメージはありませんでした。
クマは軽井沢のどこに住んでいるのだろう?
浅間山かな?
クマに会うのは少し恐いな、向かってきたらどうしよう・・・。
と、色々なことを考えていました。

しかし、インターンシップを始めて3週間程経ち、軽井沢のイメージは大きく変わりました。
もともと、クマがいる森は豊かな森だという話は聞いていたのですが、想像以上にたくさんの動植物が生息していました。
タヌキ、キツネ、アナグマ、ムササビ、クマ、リス・・・
軽井沢ってサファリパークじゃないの!?と思うくらいでした。

でも、なんでたくさんの動物を見ることができるのだろう?
考えてみました。

野生動物も、ご近所さん。 

しばらく軽井沢に滞在して分かった事ですが動物と人間の生活場所が非常に近いのです。夜歩くと動物たちの音、においがします。
普段都会では使わない野生的な感覚が目覚めるようでした。


クマたちは、とっても臆病でした。
追い払いでクマを見る機会がありましたが、クマのほうが先に気配を察知し、こちらに自ら向かってくる様なことはありませんでした。
突然出会ってしまうと、人間もクマもビックリしてしまうので、森では鈴や声で存在を示しながら歩いてほしいと思いました。

動物と人間が共生できる可能性を秘めた素敵な町だと思いました。

写真

インターン 中村

季節看板を設置しました

前回、インターンシップでピッキオに来てくださった松島さんのブログ記事でも紹介しましたが、クマはこの時期になるとクリやドングリを求めて食べ歩きます。
そこで、すこし先読みをして、町内のクリやドングリの木の多い場所に季節看板(秋バージョン)を設置しました。

季節看板設置
季節看板


今年は昨年度と比較したところ、標高の高い山間部にも実りが確認できるので、現在発信器を付けているクマたちはそちらでお腹を満たしているようです。
今は早めに熟すクリがシーズン真只中ですが、これからミズナラやコナラが食べごろになってきます。

クリ


毎度のことですが、気が付けば山のあちらこちらにクマ棚ができているのですが、なかなかクマ棚を作っているタイミングに出会うことができません。
ぜひいつかは、木の上でクマ棚を作りながらドングリを食べている様子を写真に撮ってこのブログで紹介したいのですが。

クマ棚

昨年の秋に出来たクマ棚です。ここの場所でじっと待ち構えていたら、いい写真が撮れそうだなぁ…


熊谷

「食欲の秋」

9月に入り、動物たちにとってもうれしい季節が近づいて来ています。秋は人間にとっても食欲の秋というくらい、おいしい食べ物がたくさんある季節ですが、それはクマにとっても同じです。

クマは冬眠に向けて脂肪を蓄えます。そのために、ドングリやクリの実をたくさん食べます。
先日、そんな木の実が熟れるのを待ちきれずに食べに来た跡に出会いました。

写真1

クマがクリを食べた跡です。枝を豪快に折ってたくさんのクリを食べているのがわかります。

写真2

見ての通り中身はまだ青いです。食べ頃まではまだまだですし、ちょっと渋そうですね。

写真3

木には登った爪痕が残っていました。そして、木の上には「クマ棚」と呼ばれるものができています。

写真4

クマ棚というのは、クマが木の実を食べる時に、食べる時に折った枝をおしりの下に敷いていったものが座布団のように残ったものです。(暗くなっている部分です。わかりますか?)今は青葉が茂っているので目立ちませんが、冬になり葉が落ちるととても目立つようになります。

秋本番はこれから、私も早くおいしい栗が食べたいです。

インターン松島

電気柵の管理

この日は電気柵を張っている畑を回って、周辺の草刈りを行いました。

草刈り


電気柵は動物に作物を食べられてしまうのを防ぐために畑の周囲に張られています。しかし、電気柵に作物や雑草が触れていると、漏電が起こり柵に流れる電流が弱くなってしまいます。
この漏電を改善するために草刈りを行いました。

ある電気柵では、草刈り前の電圧が4.6Vだったのが、草刈り後7.7Vになりました。これだけ無駄に漏電していたということです。
ちなみに、電気柵は畑への動物の侵入を電流で防ぐものなので、安易に触れないでください。
触れると感電するので痛いです。
痛かったです。

佐々木感電



草刈りをして電気柵を適切な状態に保つことで作物を守ることができます。また、作物に餌付く動物の増加を抑制することができます。
草刈りは地道な作業だけど、とても大切な作業であることを感じました。

電源


インターン 後藤

錯誤捕獲対応

ピッキオでは、近隣の市町村でクマの錯誤捕獲があった際、麻酔作業を行なうために出動していきます。
この日も、錯誤捕獲の連絡があったので、そちらの対応に行ってきました。

錯誤捕獲とは、本来熊を捕まえるためのものではないワナに熊が捕まってしまう事で、今回はイノシシ用のワナに小グマが捕まっていました。
発見日より4日前から捕獲されていた様子で、ひどく衰弱をしていましたが、大事には至りませんでした。
本来捕獲作業までに時間が経ってしまうと、ワナを破ろうとして歯や爪が折れ怪我をしてしまうのですが、今回は幸いにして外傷はなかったようです。
このような外傷を起こさせないためにもワナを仕掛けたらしっかりと管理をする必要が出てくるのです。

捕獲された小グマは麻酔をし、個体データを測定して、タグをつけた後、山奥に放獣しました。個体データを測定しタグをつける事は、再度捕獲された個体が出た時に情報の共有により、いち早くその個体がどこから来たのか等の特定ができるというわけです。

クマ


データ測定中は、麻酔薬で眠っています。

山奥に放獣することは、人里に降りてくることがないようにという「人と熊の共存」の第一歩となるのです。しかし、民家の周辺に度々出没し、ワナに捕獲される回数が多くなってくると駆除の対象となってしまうこともあると聞きました。
このクマも、もう人里に降りてくることなく山奥で生活してくれるといいのですが。


休憩


作業が終わって、一息ついて軽井沢に戻りました。
夏も終わり、残暑を感じさせない1日です。

インターン 大矢 高志

No.76「ナムル」

今日の追い払いはNo.76、私たちが「ナムル」と呼んでいるメスグマでした。

これまではクマが近くにいるって言われても、音が聞こえたりするくらいで
姿を見ることはできませんでした。

しかし!ついに!見ることができました!!

ナムル1

ちょうど木も抜けていて、私たちの目の高さと同じくらい。
100m先でこっちを見ていました。

本当に感動です。この時期にインターン来て良かった。

クマ鈴を鳴らしてみると、鼻を持ち上げて匂いを嗅いでいる動きをしていました。

しばらくお互い見つめ合っていたのですが
ナムルが先に立ち上がってどこかに歩いて行ってしまいました。

ナムル2

その後は花火を2回ほど打って追い払いをして終了です。

ツキノワグマのお尻って可愛いくないですか?

ナムル3

  インターン 板倉結麻
ブレット

錯誤捕獲@八ヶ岳山麓

朝から八ヶ岳の山麓でクマの錯誤捕獲がありました!
錯誤捕獲を見学させていただくのは初めてで、ちょっと緊張。

現場に到着すると可愛らしい顔したツキノワグマが!!!
錯誤1

結構暴れていました。

くくり罠っていう罠らしいのですが、痛そうです。
錯誤2

この子のツキノワは大きくてとっても綺麗でした!
錯誤3

真っ黒の個体もいれば、小さいツキノワの個体もいるし不思議ですね。

測定が終わると最後に放獣です。
放獣場所は、とても綺麗でいいところでした。
錯誤4

放獣はこんな感じでドラム缶を傾けて
錯誤5

一気にごろんって感じでした。
そんな荒々しくて大丈夫かな~?って思ったのですが、
大丈夫らしいです。
錯誤6

作業が終わった帰り道。
天気も良くって、気温も高くてまさに夏でした。浅間山も綺麗。
錯誤7

長野県はいいところですね。

  インターン 板倉結麻