GPSデータ抽出に成功しました。
5月21日にQUMAプロジェクト(三井物産環境基金助成)の調査の一環としてGPS発信器を着けたオスグマの行方ですが、放獣地点から約1kmで所在を特定し、29日間の行動記録を抽出することができました。
GPSデータの抽出方法ですが、まずVHF発信の電波を頼りに接近していきます。
ある程度つよくシグナルが聞こえてきたら、クマのいる方向を調べます。
そして、この専用の機材を用いてクマのいる方向へアンテナを向けます。
しばらくすると、抽出に成功しましたということで、様々なデータを見ることができます。

まず、座標軸。それから標高や、相手までの詳細な距離。
そして放獣してからのクマの移動していったポイントがたくさん・・・
人の力では追うことのできない険しい場所での暮らしや、このクマらしい行動パターンが色々と見えてきました。
まだ6月なので、あまり大きな動きは見られませんでしたが、これから7月から12月にかけてどういう動きをするのか楽しみです。

熊谷
GPSデータの抽出方法ですが、まずVHF発信の電波を頼りに接近していきます。
ある程度つよくシグナルが聞こえてきたら、クマのいる方向を調べます。
そして、この専用の機材を用いてクマのいる方向へアンテナを向けます。
しばらくすると、抽出に成功しましたということで、様々なデータを見ることができます。

まず、座標軸。それから標高や、相手までの詳細な距離。
そして放獣してからのクマの移動していったポイントがたくさん・・・
人の力では追うことのできない険しい場所での暮らしや、このクマらしい行動パターンが色々と見えてきました。
まだ6月なので、あまり大きな動きは見られませんでしたが、これから7月から12月にかけてどういう動きをするのか楽しみです。

熊谷
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広域的なクマの動きを調べる
これまで、軽井沢町周辺のクマ(特にメスグマ)の動きを把握する調査はたくさん行ってきました。
しかし、山奥に住むクマ、それもオスグマのように広範囲に動き周るクマがどこまで行き、軽井沢町周辺に定住するメスグマとどのような関係なのかが全く分かりませんでした。
そこでQUMAプロジェクト(三井物産環境基金助成)の一環として、念願だったGPS発信器付き首輪を購入させていただく事が出来ました。

現在までに、3頭のクマが罠にかかり、内2頭の若いオスグマにGPS発信器付き首輪を付ける事に成功しました。

予定では、3時間に1度クマの居場所を記録してくれ、1年~1年半の間、追跡することが出来ます。
これから夏~冬にかけて、県境を越えて浅間山麓を大きく動き回るクマのデータを集められることを期待しています。
大嶋
しかし、山奥に住むクマ、それもオスグマのように広範囲に動き周るクマがどこまで行き、軽井沢町周辺に定住するメスグマとどのような関係なのかが全く分かりませんでした。
そこでQUMAプロジェクト(三井物産環境基金助成)の一環として、念願だったGPS発信器付き首輪を購入させていただく事が出来ました。

現在までに、3頭のクマが罠にかかり、内2頭の若いオスグマにGPS発信器付き首輪を付ける事に成功しました。

予定では、3時間に1度クマの居場所を記録してくれ、1年~1年半の間、追跡することが出来ます。
これから夏~冬にかけて、県境を越えて浅間山麓を大きく動き回るクマのデータを集められることを期待しています。
大嶋
台風とクマ
一昨日、長野県も台風4号が通過していきました。
今朝、ブレットと一緒に野鳥の森を散歩しながら、台風で大量に落ちた枝葉が気になって仕方がありませんでした。その理由は、クマや野生動物たちの餌さとなる木の実への影響です。
これはミズナラの落枝。

既に雄花は枯れ開花時期は終わっており、小さなドングリの赤ちゃんが付いていました。
まだ実も大きくないので、枝先も軽く落枝も少なく、大きな影響は受けなかったようです。
これがもう少し実が大きくなったあとだと大変です。未成熟な状態でドングリが落ちてしまいます。
これはクリの落枝。

まだ雄花も開花前で、もちろん実も付いておらず、こちらもミズナラ同様、影響は少ない感じでした。
これはミズキの落枝。

丁度、開花の最中。この状態で花が落ちてしまうと結実に大きく影響します。
これもクマの好物なので、どれくらい花が残ったか、気になるところです。また、このような花の時期に長雨等の悪天候が続くと、花粉を媒介する虫が飛ばなかったりして、それも結実に影響します。
これらも含めて、山の実りの状況はクマ出没の一つの要因になります。
近年、異常気象が多く、「昔はこうだったな」などと言う過去の経験談や言い伝えだけでは自然や野生動物たちの動向を予測できなくなってきています。
だからこそ、リアルタイムで、かつ地域ごと(動植物の種類や、生息・生育状況は各地で違うので)にそれらの動向を把握(モニタリング)しながら、それらを共存策に活かしていく必要があります。
私たちも、特に軽井沢に関しては、行動追跡をしているクマたちの動きや糞の分析、木の実の豊凶調査、QUMAプロジェクト等を通して、しっかりさまざまな変化に対応していきたいと思います。
田中&ブレット
今朝、ブレットと一緒に野鳥の森を散歩しながら、台風で大量に落ちた枝葉が気になって仕方がありませんでした。その理由は、クマや野生動物たちの餌さとなる木の実への影響です。
これはミズナラの落枝。

既に雄花は枯れ開花時期は終わっており、小さなドングリの赤ちゃんが付いていました。
まだ実も大きくないので、枝先も軽く落枝も少なく、大きな影響は受けなかったようです。
これがもう少し実が大きくなったあとだと大変です。未成熟な状態でドングリが落ちてしまいます。
これはクリの落枝。

まだ雄花も開花前で、もちろん実も付いておらず、こちらもミズナラ同様、影響は少ない感じでした。
これはミズキの落枝。

丁度、開花の最中。この状態で花が落ちてしまうと結実に大きく影響します。
これもクマの好物なので、どれくらい花が残ったか、気になるところです。また、このような花の時期に長雨等の悪天候が続くと、花粉を媒介する虫が飛ばなかったりして、それも結実に影響します。
これらも含めて、山の実りの状況はクマ出没の一つの要因になります。
近年、異常気象が多く、「昔はこうだったな」などと言う過去の経験談や言い伝えだけでは自然や野生動物たちの動向を予測できなくなってきています。
だからこそ、リアルタイムで、かつ地域ごと(動植物の種類や、生息・生育状況は各地で違うので)にそれらの動向を把握(モニタリング)しながら、それらを共存策に活かしていく必要があります。
私たちも、特に軽井沢に関しては、行動追跡をしているクマたちの動きや糞の分析、木の実の豊凶調査、QUMAプロジェクト等を通して、しっかりさまざまな変化に対応していきたいと思います。
田中&ブレット
ヘア・トラップ回収
QUMAプロジェクトで実施しているヘア・トラップ調査で、体毛の回収が始まっています。
ヘア・トラップを設置してから2週間ほどはカモシカやイノシシの体毛しか回収できませんでしたが、最近になって警戒も解けてきたのかツキノワグマの体毛も回収されるようになりました。

ヘア・トラップに体毛が付いているかは目視によって確認します。
この様に週に一回、調査員が現場を見回ります。

これはヘア・トラップにかかったツキノワグマの体毛です。
黒くちじれているのが特徴です。

体毛が採取できた棘の近くは、一度リセットする為にバーナーを使って焼きます。
採取した体毛はジップつきの袋に入れ、DNAを検出するために日本獣医生命科学大学へ送られるまで冷凍庫で保管します。
ツキノワグマの体毛はこれからより採取できるようになるでしょう。
夏にむけて忙しくなっていきますが、QUMAプロジェクトの方も頑張っていきたいと思います。
また、ツキノワグマ以外の動物の体毛が採取できたら紹介したいと考えています。
服部
ヘア・トラップを設置してから2週間ほどはカモシカやイノシシの体毛しか回収できませんでしたが、最近になって警戒も解けてきたのかツキノワグマの体毛も回収されるようになりました。

ヘア・トラップに体毛が付いているかは目視によって確認します。
この様に週に一回、調査員が現場を見回ります。

これはヘア・トラップにかかったツキノワグマの体毛です。
黒くちじれているのが特徴です。

体毛が採取できた棘の近くは、一度リセットする為にバーナーを使って焼きます。
採取した体毛はジップつきの袋に入れ、DNAを検出するために日本獣医生命科学大学へ送られるまで冷凍庫で保管します。
ツキノワグマの体毛はこれからより採取できるようになるでしょう。
夏にむけて忙しくなっていきますが、QUMAプロジェクトの方も頑張っていきたいと思います。
また、ツキノワグマ以外の動物の体毛が採取できたら紹介したいと考えています。
服部
センサービデオがとらえた冬眠中のクマたち
QUMAプロジェクトの一環で、浅間山麓のクマの繁殖状況(出産の有無)を把握するために、冬の間にメスグマの冬眠穴の近くにセンサービデオを設置していました。
すべてのクマが冬眠から目覚めたので、設置中のセンサービデオをすべて回収しました。
仔グマの有無や出産頭数はもちろんですが、いろいろな貴重な映像の撮影にも成功しています。
その一部ですが、ご紹介しましょう。
これは冬眠穴の前で母親と戯れる仔グマ。

本当にこの仔グマは無邪気でした。母親は気だるそうにごろごろしていても、「もっと遊ぼうよ!」と言わんばかりに、母親の周りをグルグル回ったり、飛びついたりと・・・。
また、親子グマは冬眠あけが遅いといわれますが、穴の前では4月下旬から仔グマが遊びまわっていました。仔グマの穴の外で遊ぶ頻度は徐々に高まり、その後、約10日ほどで母親と一緒に冬眠穴を旅立ちました。
一方で、こんなクマもいました。

冬眠穴からなかなか仔グマがでないので、母親がむりやり穴から引っ張り出しました。
前述した親子との大きな違いが冬眠環境でした。
この親子は木のウロを寝床にしていました。地面から3mほどのところに穴があったので、少し怖かったのかもしれません。
こんなクマもいました。

このクマは厳冬期に巣穴の前の枯葉を一生懸命集めて、穴の中に引き込んでしました。
自動的に外気温を計る機能は「-7℃」になっています。寒さゆえに、枯葉で床のベットをこしらえたくなったのかもしれません。
少しずつですが、ツキノワグマの真の生態がわかり始めてきました。
これら以外にも、ヘアトラップによる生息密度推定の検討や、GPS首輪装着による浅間のクマの行動解明もすすめています。
これらの進捗状況も、このブログでご紹介していきます。
田中
すべてのクマが冬眠から目覚めたので、設置中のセンサービデオをすべて回収しました。
仔グマの有無や出産頭数はもちろんですが、いろいろな貴重な映像の撮影にも成功しています。
その一部ですが、ご紹介しましょう。
これは冬眠穴の前で母親と戯れる仔グマ。

本当にこの仔グマは無邪気でした。母親は気だるそうにごろごろしていても、「もっと遊ぼうよ!」と言わんばかりに、母親の周りをグルグル回ったり、飛びついたりと・・・。
また、親子グマは冬眠あけが遅いといわれますが、穴の前では4月下旬から仔グマが遊びまわっていました。仔グマの穴の外で遊ぶ頻度は徐々に高まり、その後、約10日ほどで母親と一緒に冬眠穴を旅立ちました。
一方で、こんなクマもいました。

冬眠穴からなかなか仔グマがでないので、母親がむりやり穴から引っ張り出しました。
前述した親子との大きな違いが冬眠環境でした。
この親子は木のウロを寝床にしていました。地面から3mほどのところに穴があったので、少し怖かったのかもしれません。
こんなクマもいました。

このクマは厳冬期に巣穴の前の枯葉を一生懸命集めて、穴の中に引き込んでしました。
自動的に外気温を計る機能は「-7℃」になっています。寒さゆえに、枯葉で床のベットをこしらえたくなったのかもしれません。
少しずつですが、ツキノワグマの真の生態がわかり始めてきました。
これら以外にも、ヘアトラップによる生息密度推定の検討や、GPS首輪装着による浅間のクマの行動解明もすすめています。
これらの進捗状況も、このブログでご紹介していきます。
田中
捕獲檻のメンテナンス
今年、新しく3台のドラム缶檻が届いたので、緊急の捕獲対応にいつでも出動できるよう、仕掛けを作り、ペイントをしました。

森の中は湿気が多いので、少しでも長く使えるように防錆剤を塗ってあります。
檻のこの赤錆色ですが、クマはあまり気にしていないようですし、人間の視覚的にも案外森に溶け込んでくれます。

檻のメンテナンスと同時に、一時保管場所も作りました。
クマが入った状態の檻は、100kgを超えてきます。それを持ち上げるのに毎回4人の力が必要でした。これを2人で簡単に作業できるように作ったのが、この屋根付き三脚です。


一人が滑車で檻を吊るし上げ、もう一人が軽トラを操作し荷台に積み込むという設計です。
また、麻酔が覚めるまでの間の保管場所としても使いたいということで、雨と日よけのテントも付けました。
これで、作業効率がぐんと上がること間違いありません。
物づくり担当 熊谷

森の中は湿気が多いので、少しでも長く使えるように防錆剤を塗ってあります。
檻のこの赤錆色ですが、クマはあまり気にしていないようですし、人間の視覚的にも案外森に溶け込んでくれます。

檻のメンテナンスと同時に、一時保管場所も作りました。
クマが入った状態の檻は、100kgを超えてきます。それを持ち上げるのに毎回4人の力が必要でした。これを2人で簡単に作業できるように作ったのが、この屋根付き三脚です。


一人が滑車で檻を吊るし上げ、もう一人が軽トラを操作し荷台に積み込むという設計です。
また、麻酔が覚めるまでの間の保管場所としても使いたいということで、雨と日よけのテントも付けました。
これで、作業効率がぐんと上がること間違いありません。
物づくり担当 熊谷
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