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実りの季節です。

芸術の秋、スポーツの秋、読書の秋・・・。
でも、クマにとってはやっぱり、食欲の秋。

今、クマ達はクリが沢山なっている場所を中心に活動しているようです。

熟れたクリ
よく熟れたクリの実。

クリ糞
クリ100%の糞。
町の東側の山をよく利用する、10歳前後の雌グマのものです。
(※糞の写真が続きます。お食事中の方は後ほどご覧いただくことをおすすめします・・・。)

下の写真は、町の西側の山をよく利用する、同じ年頃の雌グマの糞。
上の「クリ糞」の4日後に撮影しました。
ちなみにどちらの糞も、われらが頼もしきベアドッグ、ブレット氏が見つけてくれました。
ヤヨイ糞①
東の雌グマのクリを食べた糞とは、色ツヤ形においがだいぶ違う様子・・・。

糞に含まれていたものを調べてみると・・・
ヤヨイ糞内容物①
最も量が多いのはアオハダ、次いでミズキ、少量ながらクサボケ、クルミ、ヤマボウシ、サルナシ(コクワ)も含まれていました。

アオハダ
            アオハダ

でも、クマにとってはそろそろ冬眠の準備にかかる時期。
本当ならばクリやドングリを食べたいはずです。
また、一種類の食べ物をまとめ食いする性質をもつクマにしては、さまざまな種類のものを食べています。
そう考えると、ちょっと異色な糞です。

こちらは、同じ西の雌グマの、さらに1週間ほど前のものと思われる糞。
ヤヨイ糞②

ヤヨイ糞内容物②
やっぱりクリではなく、チョウセンゴミシとクマヤナギ、少量のオニグルミやサルナシが出てきました。

クリやドングリにありつけず、いつもの行動範囲内にある食べ物で必死に食いつないでいるのでしょうか。
あるいは、体がまだ冬に向けての備えを欲していないのでしょうか?
もしくは、量が確保できても完熟ではないクリやドングリを避け、少なくても旬なものを食べるという単なるグルメ・・・?

そもそも、今年、山のクリやドングリの実りはどうなっているのでしょうか。
ピッキオでは、クマ達の秋の大切な食べ物であるクリやドングリの豊凶調査を、軽井沢町内やその周辺で進めています。
本ブログでも、豊凶調査の速報をお知らせしていきます。

人とクマの境界線

ところで、今回ご紹介した「西の雌グマ」は、今年8月に追跡を開始して以来、人里との境界に近い場所をよく利用していることがわかってきました。
けれどもこれまでに同所付近で、クマの目撃や痕跡・被害の通報はまったくと言っていいほどありません。
おそらく自然の環境と食べ物を利用して、人目に触れないようにひっそりと暮らしてきたのでしょう。
クマだって、人の住む場所と自分の住む場所の境界線を、自分なりに持っているのです。

  浦西茉耶
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