クマとイノシシ
2月以降、町内にお住まいの方から、「大きくて黒いクマのような動物を見ました」とか「クマかもしれない大きな足跡があります」といった通報を何件かいただきました。
もしかすると冬眠からさめて動いているクマがいるのかもしれない、と思って、現場で行ってみると、大抵の場合、正体はイノシシでした。
現実の危険性はともかくとして、クマではなくイノシシであることが分かると安心される方もおられますので、両者の違いを上げておきたいと思います。
まず、クマとイノシシは足跡の形が大きく違います。
クマは手のひらをついて歩き、指が5本あるため、人間の手のような跡がつきます。
一方、イノシシの足先は蹄なので、前方に対になった蹄の跡が残り、雪や泥で足が沈みこむと後ろ側にもう一対の蹄跡が残ります。

黒っぽい色をしたイノシシはクマと見間違えそうになりますが、歩き方が違います。
イノシシは体が動かずに足がトコトコと動くのに対して、クマは肩から上腕を動かし、上半身でモンローウォークをするようにユッサユッサと動く印象があります。
なお、漆黒というべき、混じりけのない黒はクマだけのものですが、そこまで色がよく見える時には、すでに形から区別がついているでしょうか。
糞の大きさは似ています。
ただし、イノシシの糞は空豆大の粒がくっついて一つの塊になっていることが多いのに対して、クマにはくびれがありません。
食べたもの次第では、クマもイノシシも水分が多く、形のない糞になることもあります。
一見すると雰囲気も似ているのですが、クマの場合は未消化物が含まれているのに対して、イノシシは細かい繊維状になっていているところが違います。
さらに、においには確実な違いがあり、イノシシの糞はどんな形であっても、ブタのようなにおいがします。

3月24日現在、発信器を付けたクマはまだ冬眠しています。
玉谷
もしかすると冬眠からさめて動いているクマがいるのかもしれない、と思って、現場で行ってみると、大抵の場合、正体はイノシシでした。
現実の危険性はともかくとして、クマではなくイノシシであることが分かると安心される方もおられますので、両者の違いを上げておきたいと思います。
まず、クマとイノシシは足跡の形が大きく違います。
クマは手のひらをついて歩き、指が5本あるため、人間の手のような跡がつきます。
一方、イノシシの足先は蹄なので、前方に対になった蹄の跡が残り、雪や泥で足が沈みこむと後ろ側にもう一対の蹄跡が残ります。

黒っぽい色をしたイノシシはクマと見間違えそうになりますが、歩き方が違います。
イノシシは体が動かずに足がトコトコと動くのに対して、クマは肩から上腕を動かし、上半身でモンローウォークをするようにユッサユッサと動く印象があります。
なお、漆黒というべき、混じりけのない黒はクマだけのものですが、そこまで色がよく見える時には、すでに形から区別がついているでしょうか。
糞の大きさは似ています。
ただし、イノシシの糞は空豆大の粒がくっついて一つの塊になっていることが多いのに対して、クマにはくびれがありません。
食べたもの次第では、クマもイノシシも水分が多く、形のない糞になることもあります。
一見すると雰囲気も似ているのですが、クマの場合は未消化物が含まれているのに対して、イノシシは細かい繊維状になっていているところが違います。
さらに、においには確実な違いがあり、イノシシの糞はどんな形であっても、ブタのようなにおいがします。

3月24日現在、発信器を付けたクマはまだ冬眠しています。
玉谷
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独り立ちの季節
熊のように大きくて強いので、熊鷹(クマタカ)と呼ばれているタカがいます。
先日は、このクマタカの調査にお邪魔させてもらいました。

昨晩の雪をかぶったスギ林が朝の光を反射する中、若いクマタカが飛び出しました。
雪のような白さの腹や翼がまぶしいほどです。
太陽の角度が上がり、雪がとけた頃、両親のタカが飛び出しました。
腹が茶色く、羽の鷹班がはっきりしていて精悍です。
2羽は会話をするように旋回して高度を上げていきました。
若いクマタカも2羽の後をついていきます。
クマタカは巣立ちをした後、翌年までずっと、親から餌をもらっているそうです。
おそらく空腹なのでしょう。さかんに「ピィピピー」と鳴いています。

写真提供:特定非営利活動法人RAPOSA(申請中)
・・・しかし、この日は相手にされないばかりか、オス親からは威嚇までされるのでした。
調査員の方に教えられてよく見てみると、若いクマタカのそ嚢(食べ物を一時的に貯めておく喉付近の場所)は膨らんでいないのに、メス親のそ嚢は大きく膨らんでいました。
もしかすると、メスはオスから食べ物をもらったものかもしれません。
両親のタカは今年の子育てを始めるため、我が子を追い出すことにしたようです。
若いクマタカの飛び方はつたなく、上手に狩りができるようには見えませんが、もう甘えた声は通用しません。

クマタカとツキノワグマの生息地は重なっているところもあります。
今度、山へ行った時は、上空にも注意して歩こうと思いました。
玉谷
先日は、このクマタカの調査にお邪魔させてもらいました。

昨晩の雪をかぶったスギ林が朝の光を反射する中、若いクマタカが飛び出しました。
雪のような白さの腹や翼がまぶしいほどです。
太陽の角度が上がり、雪がとけた頃、両親のタカが飛び出しました。
腹が茶色く、羽の鷹班がはっきりしていて精悍です。
2羽は会話をするように旋回して高度を上げていきました。
若いクマタカも2羽の後をついていきます。
クマタカは巣立ちをした後、翌年までずっと、親から餌をもらっているそうです。
おそらく空腹なのでしょう。さかんに「ピィピピー」と鳴いています。

写真提供:特定非営利活動法人RAPOSA(申請中)
・・・しかし、この日は相手にされないばかりか、オス親からは威嚇までされるのでした。
調査員の方に教えられてよく見てみると、若いクマタカのそ嚢(食べ物を一時的に貯めておく喉付近の場所)は膨らんでいないのに、メス親のそ嚢は大きく膨らんでいました。
もしかすると、メスはオスから食べ物をもらったものかもしれません。
両親のタカは今年の子育てを始めるため、我が子を追い出すことにしたようです。
若いクマタカの飛び方はつたなく、上手に狩りができるようには見えませんが、もう甘えた声は通用しません。

クマタカとツキノワグマの生息地は重なっているところもあります。
今度、山へ行った時は、上空にも注意して歩こうと思いました。
玉谷
大昔はどんな森が広がっていたのでしょうか・・・
クマが冬眠している間に、八ヶ岳山麓で痕跡調査をしました。
長野県が例年行っているクマの調査の一環です。

前半のルート沿いには、クマにとって良さそうな林があるのに痕跡が見つかりませんでした。
痕跡数だけでは何とも言えませんが、軽井沢周辺よりもクマの気配が薄い印象を受けました。
それでもクマは確実に生息しています。
岩が露出した尾根や沢沿いのミズナラにいくつもクマ棚ができていました。

斜面中腹はカラマツが植林されており、地形的に植林をすることができなかった場所にミズナラが残ったのではないかと思います。
いずれにしても、こうした場所のミズナラは大きく成長していて、いかにもたくさんの実がなりそうです。
人間が近寄りがたい場所なので、クマも安心してドングリを食べることができるのではないかと思いました。
この場所では、一昨年の調査でもクマ棚ができていることを確認していました。
食べ物があり、岩場には穴がありそうなため、ここで冬眠しても良さそうです。
冬眠前には、ここへ来れば何とかなる、という場所なのではないでしょうか。
逆に、こうした場所での結実が不作の場合は、食べ物を求めて広い範囲を探索することは想像に難くありません。

ちなみに、上の写真ではクマ棚とヤドリギが同時に写っています。
少し遠いですが、違いがおわかりになるでしょうか・・・。
玉谷
長野県が例年行っているクマの調査の一環です。

前半のルート沿いには、クマにとって良さそうな林があるのに痕跡が見つかりませんでした。
痕跡数だけでは何とも言えませんが、軽井沢周辺よりもクマの気配が薄い印象を受けました。
それでもクマは確実に生息しています。
岩が露出した尾根や沢沿いのミズナラにいくつもクマ棚ができていました。

斜面中腹はカラマツが植林されており、地形的に植林をすることができなかった場所にミズナラが残ったのではないかと思います。
いずれにしても、こうした場所のミズナラは大きく成長していて、いかにもたくさんの実がなりそうです。
人間が近寄りがたい場所なので、クマも安心してドングリを食べることができるのではないかと思いました。
この場所では、一昨年の調査でもクマ棚ができていることを確認していました。
食べ物があり、岩場には穴がありそうなため、ここで冬眠しても良さそうです。
冬眠前には、ここへ来れば何とかなる、という場所なのではないでしょうか。
逆に、こうした場所での結実が不作の場合は、食べ物を求めて広い範囲を探索することは想像に難くありません。

ちなみに、上の写真ではクマ棚とヤドリギが同時に写っています。
少し遠いですが、違いがおわかりになるでしょうか・・・。
玉谷
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