軽井沢の野生動物

 こんにちは、東京環境工科専門学校の野口と申します。
 ピッキオには8月の中旬からクマ対策班のインターンとして活動させて頂いています。

 私は今回初めて軽井沢に滞在しましたが、予想外の自然の豊かさに驚かされています。何しろクマはもちろんですが、早朝には別荘の庭にキツネがいるし、夜間クマの追跡を行っていると道路を大きなイノシシが歩いているし、日中にサルの群れが広場に現れるしと、私にとっては大変刺激的な経験でした。

   堂々と道を歩くサルたち もちろんクマもいました
       堂々と道を歩くサルたち         もちろんクマもいました(目が光ってます)

 ただ、それは野生動物との距離が近いということは摩擦も多いということで、クマに荒らされたトウモロコシ畑を見たり、サルの被害にあわれた別荘の方のお話を聞くと正直複雑な心境になりました。外部からたまに訪れた際に野生動物と遭遇できることは幸運なことかもしれませんが、その地にすむ人たちにとっては重大な問題です。

   収穫前に食べられたトウモロコシ   収穫前に食べられたトウモロコシ2
              収穫前にクマに食べられてしまったトウモロコシ

 ただ護ることばかりが共存の道ではないと、野生動物との接し方を改めて考えさせられる3週間でした。

インターン 野口大輔

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クマ目撃情報

こんにちは。

先日、クマの目撃情報が寄せられました。
FAXでその詳細を送ってくださったのは、軽井沢草花館の館長、石川寛様。
その様子がとても分かりやすく、森の楽しみ方として皆様の参考にもなるかと思いまして、石川様の了解をいただきましたのでここにご紹介したいと思います。

とても素敵な文章です。ぜひご一読ください。

~ここから~

8月17日、国境平ー鼻曲山間で熊を目撃したので、情報をお伝えします。被害もなく、駆除をお願いするものではありません。

目撃は2ヶ所で、確実に熊と認識できたものと熊(の赤ちゃん)らしき個体の計2件です。

まず、はじめに目撃したほうから説明いたします。

8時10分ころ、林道(より)を進んでいると前方10m程の茂みで“ガサガサ”と何かの気配に気づきました。立ち止まって茂みを注意深く観察すると、オシダに半分隠れた黒くて、フワフワした毛をもった、子ウサギくらいの大きさの動物がいるのが判りました。こちらの存在にも気づいているようで、少しずつ離れていきます。しかし動き方は人間の赤ちゃんがハイハイしているようなぎこちなさで、ゆっくりした動き。1~2m動いてはいったん休憩して、また動きます。離れていくにつれて、体が完全に茂みに隠れてしまった為、動物が何であったのか、確認できませんでしたが、赤ちゃん熊のようにも感じました。
近くに親熊がいるのではないかと、かなりの緊張がありましたが、しばらく様子をみて、動物の気配がなくなったのを見計らって先に進みました。


次に、確実な目撃情報

先の「らしき」動物に遭遇してから20分程鼻曲山頂方向に進んだ時(8:30頃)、歩行中、林道の右約50mの位置にある(たぶん)ミズナラの木が不自然にもメトロノームのように左右に揺れているのに気付きました。

 「熊じゃないだろうか?」と思った瞬間、相手もこちらの存在に気がついたようで、ものすごい勢いで滑り落ちるように降りてきて、茂みに隠れました。
 こちらの方は完全に熊でした。少し距離があった為なのか、熊もそれ以上興奮することなく、離れて行ってくれたようです。

 大きさは推定60kg前後でしょうか?100kg近くもある巨大なものでも、20~30kgくらいの小型のものでもなかったです。
 首輪の有無は確認できませんでした。

 このあたりは標高1500mくらいの地点で、ちょうどカラマツの植林帯からブナ、ミズナラ、??カンバの生える自然林に変わったところです。
2週間前にもこの道を歩いており、その時すでにブナの実が落ち始めていましたので、「木の上のクマにも注意しないと・・・」と考えながら歩いていたときだったので、本当に驚きました。

 山に入る時は、熊よけの鈴を鳴らし、時々ホイッスルを吹きながらの歩行ですが、完全な対策にはならない様です。常に気をつけていることですが、油断はならないと改めて感じました。

 それでも、山中、いろいろな草花たちに出会えて良かったです。                         
090817目撃図


インターンの村山です

こんにちは
東京環境工科専門学校から来ましたインターンの村山と申します。


軽井沢ではトウモロコシが実りのシーズンを迎えました。

この時期は、ツキノワグマにとって森の中での食べ物が少なく大変な時でもあります。
7月は、クワの実を食べ
クワの実がなくなるとアリやハチの巣を襲って食べますが、いよいよ食べるものが少なくなると、クマは個体によってさまざまな動きをするようになります。

そんなクマ達の数頭が、畑のトウモロコシを求めて人の住む近くまでやってきます。
トウモロコシはクマにとって大変魅力的な食べ物です。
農家の方々も、電気柵を張ることでクマを始め、イノシシやシカなどの動物から畑を守ろうと懸命に努力をされています。動物に農作物を食べさせない努力は、動物に味を覚えさせないということからも、とても重要なことです。動物が味を覚えなければ、再び畑に来る可能性も低くなるわけです。

 こうした時期のインターンシップを経験して感じたことは、クマも人も努力することで、クマにも人にも住みよい町ができるのだということです。この人というのは、地元の人だけではなく、観光客や別荘客の方々もです。

 私も別荘客の一人です。
 そこで感じたのは、別荘の方や、観光客の皆さんは、クマがいると思うと純粋に怖いと感じられていること、そして現実を見ると、自分が思っていた以上にクマが生息しているということです。それはクマにとって生息に適した豊かな森が、軽井沢にはあるということなのです。一方で、別荘地などの開発で、十数年前に比べ森が切り開かれていると感じます。そのため、クマが人の生活圏に接近することや、人工物への慣れも顕著になってきていることも頷けます。

クマには、人の住んでいる場所に居続けないように、棲んでいた森に戻るように追い払いをするなど、人の怖さと生活圏を教えることで、棲み分けを学習させる努力をしています。
クマと仲良くなって欲しいとは思いません。
ただ、ツキノワグマがどういう生物かを知る努力をして欲しいと思います。
その上で、軽井沢の森に棲んでいるクマとどう向き合っていくのかを、一人一人が考えてみてほしいと思います。
人の意識に、もう一歩の歩み寄りが必要であると強く感じたインターンシップでの3週間でした。

インターン 村山

最後の最後に。

こんにちは、大阪コミュニケーションアート専門学校からきているインターンの蓬莱です。
いよいよピッキオで勉強する日も最後となりました。
そして、最後の最後に再捕獲されたミヤコの姿を見ることができました。

写真3 候補1k


流れとしては、28日の朝に檻に入っているのを確認して、夕方に麻酔をして計測などの作業をし、次の日の朝に放獣という形でした。
その放獣の際に、放獣の瞬間を撮る写真係をしました。
これがその際に同じくインターンの村山さんからカメラを借りて撮った写真です。

写真4k


自分でもなかなかうまく撮れていると思うのですがどうでしょうか?

ミヤコは18歳のメスでもう、おばあさん。
計測の時でも、見れば所々に白髪が混じっていました。
逃げていくときもスローペースでのらりくらりと逃げていきました。
聞くところによると人が全力で走ったら追いつけそうだったとか。
それでもミヤコにとっては全速力で、クマでも年をとると足腰が弱くなるようです。

インターンの締めくくりに、熊を見ることができたのは幸運でした。

期間中に多くのことを多くの方々に教えていただき、たいへん勉強になった3週間でした。


7月29日 蓬莱