スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

無事に冬を越しました

「ジュウゾウ」は昨年9月に軽井沢町内で捕獲された、当時0才のオスグマです。
サル用の小さな発信器を付けさせてもらい、母グマと合流することを願って、捕まった場所で放しました。

1才の子グマは母グマと一緒に冬眠すると言われています。
もしかしたら、母子で一緒にいるところが見られるかもしれないので、冬眠穴を訪ねてみようと思いました。

クマハギ

ジュウゾウからの電波を受信しながら、群馬県側の深い山の中から進んでいきます。
道中、クマによって樹皮を剥がされたスギがあったり、雪渓の上にクマの新しい足跡があったりして、「あちら側」の世界にお邪魔しているような緊張感が高まります。

クマ足跡on雪渓

崖とササやぶに阻まれながら進むこと3時間、ある岩山の頂上に到達しました。
途端に強くなる受信音、漂ってくる獣の臭い・・・

身構えたところ、大嶋が下を指差します。
何と、頂上直下5mほどのところにクマがいました。

カナ・ジュウゾウ親子

三角形の岩山との位置関係が巣箱の入口のような冬眠穴の前で、大きい黒い塊と小さい黒い塊が寄り添っていました。
ジュウゾウの姿は見えませんでしたが、電波の強さからすると、穴の中にはいたようです。

大きいクマには耳タグが付いており、個体識別ができました。
いったいこのクマは、ジュウゾウとどんな関係があるのでしょう。

実は、日本獣医生命科学大学の山本俊昭研究室では、クマの体毛から遺伝子を抽出して親子判定を試みています。
その結果、まさにジュウゾウの母親である可能性の高いことがわかったのです。

ジュウゾウは無事にお母さんと合流して冬を越したのですね!

霧積湖

ところで、地元の猟師さんから、「クマは霧積湖が見える場所で冬眠する」という話をうかがったことがあります。
ジュウゾウの冬眠穴がある岩山からは、確かに湖が一望できました。

  玉谷

※冬眠穴調査は三井物産環境基金による支援を受けて実施しています。
スポンサーサイト

母親ゆずり、父親ゆずり

軽井沢では冬と春がすっかり入れ替わりました。

氷がとけた森の池ではアカガエルが産卵し、そのカエルをノスリというタカが狙っています。
今年はじめて、イノシシが泥をかき混ぜました。

立ち入り禁止
  イノシシに「立ち入り禁止」は通用せず

冬眠穴調査も急ピッチで進めています。
先日は「コナツ」というクマの冬眠穴を訪ねました。
このクマは「ヤチヨ」の双子のうちの一頭で、遺伝子の解析結果によると、オスグマ「ミソ」の子です。
ちなみに双子のもう一頭の父親はミソではなく、クマの繁殖の不思議が垣間見えました。

コナツ0才
       0才のコナツ(2009年)

コナツとは昨年、4年ぶりに再会し、発信器を付けることができました。
電波を頼りに探し出した冬眠穴は、群馬県側の急斜面にあり、ササやぶに覆われていました。

この場所はかつて母グマ「ヤチヨ」が寝ていた場所の近くにあり、ササやぶの中にあるところなどはヤチヨの冬眠穴にそっくりでした。
浅間山麓のクマは大木の根の下、岩穴、樹洞などで冬眠しますが、もしかすると、幼い頃の記憶で穴の種類を選んでいるのかもしれませんね。

コナツ冬眠穴
        ササやぶは安心?

穴の入口にいたコナツは冬眠あけとは思えない、堂々たる姿でした。

父親「ミソ」は夏場の体重で100kgを少し超えるくらいでしたが、体格がとても立派なオスグマでした。
体つきは父親ゆずりかもしれません。

春のドングリ
    灰汁が抜けておいしいはず

冬眠穴のまわりには、昨年落ちたドングリが残っていました。
穴から出た後も、食べ物に困らなそうです。

  ピッキオ 玉谷

※冬眠穴調査は三井物産環境基金による支援を受けて実施しています。

祝!出産

今日は2頭のメスグマの冬眠穴を訪ねました。

足元の雪は固く締まり、頭上ではゴジュウカラが口笛を吹いています。
太陽の照り返しが冬のものではありませんね。
また春が巡ってきました!

石楠花

雪崩の跡を見ながら慎重に進んでいき、1頭目のクマの冬眠穴を見つけました。
標高1500mの谷合いからは、浅いV字型に切り取られた軽井沢の町並みが一望できました。

町を一望

冬眠穴はシャクナゲの下にあって入口が広く、双眼鏡で見ると、彼女の背中が見えました。

背中

じっと見ていると、寝返りを打ちましたよ。

2頭目のクマは標高700mの急斜面で冬眠していました。
イヌブナでしょうか、大木の洞に入っていました。
日の当たる南東向きの斜面で、とても居心地が良さそうです。

イヌブナ?

・・・と、聞こえました!
「クー」と子グマがつぶやいています。
ようこそ、軽井沢の森へ。

親子を緊張させないように、速やかにその場から立ち去りました。
新緑の森で、また会いたいね。

  ピッキオ 玉谷

※この調査は三井物産環境基金のサポートを受けて行っています。

冬眠穴を訪ねる

こんにちは。
私たちもクマ同様、穴蔵のような事務所で「冬ごもり」していることが多く、久しぶりの更新となりました。
みなさま、お変わりなくいらっしゃるでしょうか。

今回は、三井物産環境基金による“QUMAプロジェクト”で実施しているツキノワグマの出産確認調査についてご紹介します。

斜面を登る

クマは2月の初旬に冬眠穴の中で出産しますので、穴の入口付近にセンサーカメラを設置したり、耳を済ませて子グマの泣き声を聞いたりして、出産の有無を確認します。
成長するとあまり声を出さなくなるクマも、赤ん坊の頃はお乳をほしがっているのか「ギュルギュルギュル・・・」という声を上げますし、母グマを呼ぶ時に「ンォアー」と叫ぶのです。

⇒「クマの生命の誕生を確認しました」(2013年2月6日)

テレメ

軽井沢は2月中旬に、戦後最大となる積雪深99cmの大雪に見舞われましたが、ここ数日の暖かさで固く締まり、だいぶ歩きやすくなっています。
3月13日には、昨年夏のスタッフだった岡田さんの協力の下、あるメスグマが出産していないことを確認しました。

ツキノワグマの初産の年齢は4才前後と言われています。
しかし、このクマについては、追跡を始めた3才から8才になる今まで、子グマを連れている場面を一度も見ていません。

山の中ではどれくらいの割合のメスグマが、何頭の子グマを連れて穴から出てきているのでしょうか。
これから春にかけて、できるだけ多くの冬眠穴を訪れてみたいです。

  玉谷

3頭目も無事に回収できました

前回お伝えしたGPSロウドクに続き、今日はGPSトメブの首輪を回収することができましたのでご報告いたします。
GPSトメブは軽井沢町と群馬県安中市との境にある留夫山(1591m)の近くで、2012年6月16日に捕獲された4~5才のオスグマです。

電波を頼りに群馬県の霧積方面へ下りていきました。
ここが奥山か

映画「人間の証明」の舞台となった霧積の山は、岩ありササやぶありで、人の侵入を拒んでいるようです。
岩とササ

その分、野生動物の気配は濃厚で、途中のヒノキ林では何本もの木が「クマハギ」されていました。
クマハギ
クマハギとはクマが樹皮をめくって木部をかじる行動で、軽井沢町周辺ではヒノキのほか、スギやカラマツの人工林で被害が発生しています。

イヌブナの幹に残った、クマの爪跡です。
大きな爪跡
かなり大きなクマではないかと思われます。

ドングリを食べたクマの糞もたくさんありました。
少し古いクマ糞

今年はミズナラのドングリが豊作で、まだ地面に残っていました。
来年、冬眠があけてからの食べ物があるので、クマたちは安心して寝ることができると思います。

さて、GPS首輪ですが、今回はササやぶの中に落ちていました。
先日のロウドクと同じく、寝床で首輪が外れたようです。
自分がクマでも確かにここを選ぶなあ、と思うような、日の当たる気持ちのよい場所でした。
見つけた!

結局、本格的な積雪前に3頭全部のGPS首輪を回収することができました。
電波による位置特定作業や山を歩いての回収作業に力を貸してくださったみなさま方、本当にありがとうございました。

回収!
 ピッキオ大嶋からも御礼申し上げます

  玉谷
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。