クマ遭遇情報(4/30)

新緑の坂道
(写真)芽吹きとともにクマの行動が活発になってきた。


親子のクマと遭遇された方から、皆様のお役に立てれば・・・、と貴重な情報をいただきました。

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【日時】4月30日 9:10
【場所】群馬県鼻曲山付近
【目撃者】単独
【クマ】親子(2頭)
【距離】15〜20m(最接近時)
【鈴の有無】有り

【経過】登山中に親子のクマを発見した。
    クマは鈴の音に気づかず、登山道より下方のブナ林で食事中だった模様。
       ↓
    木陰に隠れてゆっくりクマ鈴を鳴らす。
       ↓
    母グマは「ブォー」と鳴いて大急ぎで走り下りていった。
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遭遇された方は怖かったとのことですが、それでも、きわめて適切な対応をとられました。
それは、
1.クマより上方に位置したこと
2.冷静に観察しながら音を出したこと
です。

普通はクマ鈴の音や足音で、クマの方が先に気づいて逃げていきますが、今回のように食事に夢中になっている時などは気づくのが遅れることもあります。
その場合は、上記の1、2を心がけていただくか、後ずさりで距離をとっていただけるようにお願いします。

今後も遭遇事例をこの場でご紹介できればと思います。
クマと遭遇されましたら、ピッキオ(info@npo.picchio.jp)まで情報をお寄せいただければ幸いです。

この度は、情報をご提供いただき、ありがとうございました。

  玉谷

冬眠? 春眠?

萌黄色の林に、シャワーのように優しい雨が降り続きます。

ヤナギ
(写真)春雨に濡れるヤナギ。

「春雨なので濡れて行く」と、旧軽井沢銀座入り口のサクラが満開になっていました。

軽井沢周辺の桜前線は北上するのではなく、上に上がり?ます。
上田や小諸から徐々に上がってくる前線と、群馬県の安中市側から上がってくる前線は互いの距離を縮め、最後に軽井沢を包囲するのです。

安中市側からは、交通の難所として知られた碓氷峠の急坂に沿って前線が上がってきます。

坂本の桜
(写真)4月中頃に碓氷峠のふもとで満開になったサクラ。桜前線は標高差500m強を2週間ほどかけて登ってくる。

この時期に碓氷峠を通行すると、桜前線や新緑前線を突破する瞬間が分かります。
下りでは季節が早送りで進み、上る時は時間が逆戻りするようです。
当たり前のことなのでしょうが、桜前線を行き来すると、何だか得した気持ちになりませんか。

ちなみに、秋には峠を下ると季節が戻り、上ると季節が進みます。

あばら家?
(写真)ダケカンバの根の下で冬眠。外から黒い毛が見えていた。(4月29日)

林の中では最後まで残った雪もとけましたが、まだ寝ているクマもいます。

写真のクマは外から体の一部が見えていました。
こんなところで冬を越したの?と思う環境ですが、今の季節になれば、春雨が毛皮を濡らしたり、五月の風が穴の中を通り抜けたりして、気持ちが良さそうです。

  玉谷

過半数が冬眠からあけました

信州の春は密度が濃いですね。
太平洋岸の「常春」地方で育った私からすると、森の移り変わりはビデオの早送りを見ているようです。

事務所付近ではサクラ(オオヤマザクラ)が開花し、アズマイチゲが満開になりました。
アズマイチゲやカタクリなどはその美しさと、木々の葉が茂る前に咲き終わる儚さから「春の妖精」とも呼ばれているそうです。

春の妖精
(写真)毎年、地面から忽然と現れるアズマイチゲの花達

さて、軽井沢周辺で冬眠したクマは動き出したでしょうか。
4月28日から30日にかけて、発信器個体(※)の位置を探ってきました。

結論から言いますと、

   冬眠中 冬眠あけ
オス  2頭  6頭
メス  7頭  6頭

で、過半数のクマが動き始めました。
まだ穴から離れないのはメスグマや標高の高い場所のクマで、標高1200m以上で冬眠した6頭は、全てがまだ動いていません。

カラマツの新芽が膨らんで、森が淡い緑色になってきました。
この色がもう少し濃くなると、残りのクマも動き出すはずです。

春霞の浅間山
(写真)春霞の浅間山。日に日に雪渓が小さくなっていく。

  玉谷

※電波発信器は行動監視や追い払いを行なうために、軽井沢町ツキノワグマ対策事業の中で装着されました。三井物産環境基金による「QUMAプロジェクト」では、発信器を付けたクマの冬眠場所や、行政界を越えた動きを明らかにするための調査を行なっています。

「早春 軽井沢の森」

今日は春雨が降ったりやんだりしています。
気温も10度近くまで上がり、木々の芽がほころんでいるように見えます。

さて、テレビ番組のご案内をいたします。
NHKさわやか自然百景「早春 軽井沢の森」です。

NHK総合
23日(月) 午後3:40〜3:54
27日(金) 午前11:05〜11:19(東北各県、関東甲信越各県、近畿各県、沖縄は別番組です)
27日(金) 午後3:45〜3:59(中部各県のみ)
 ※放送は予告なしに変更される場合があります。ご了承ください。

ピッキオスタッフが子どもの頃に夢中になったテレビ番組、「野生の王国」を制作した群像舎クルーによる撮影です。
直前のご案内になってしまい恐縮ですが、春の兆しが見え始めた森の様子を是非ご覧下さい。

  玉谷

公開シンポジウムに参加しました

21日、松本市で行なわれた信州ツキノワグマ研究会による公開シンポジウム「ツキノワグマ保護管理計画の実施体制を考える」に参加してきました。
早春の軽井沢から丸子町、三才山と、道中の季節は行ったり来たりして、松本盆地のサクラやコブシは満開でした。

長野県の担当者から、第3期ツキノワグマ特定鳥獣保護管理計画とその実施体制についての説明があり、その後、研究会や信州大学からの事例報告や研究発表がありました。
ピッキオの大嶋からは、モンタナで開かれた国際会議「Human-Bear conflict workshop」への参加報告をさせていただきました。

BearAware
(写真)クマや被害対策に関する道具を積んだトレーラー。
Bear AwearというNGOのもの。
人とクマの共存に向けて、研究者、行政、NGO、狩猟者、市民などが、
それぞれの立場でできうることを果たさなければならない。


長野県は全国有数のツキノワグマの生息地であると同時に、調査研究を志す方々の熱い思いがあり、クマとの共存を実現するための体制づくりも着々と進んでいます。
私たちも浅間山麓で人とクマの良い関係を築いていきたいと、思いを新たにしたところです。

  玉谷