『平成 熊あらし 〜異常出没を追う〜』の受賞が決定!

 このたび、ツキノワグマと人の関係に迫ったドキュメンタリー映画『平成 熊あらし 〜異常出没を追う〜』が、文化庁による文化記録映画優秀賞と、社団法人映像文化製作者連盟による「映文連アワード2009」の最優秀作品賞(グランプリ)を受賞しました。ピッキオの活動を軋轢の前線における保護管理の取り組みとして紹介していただいた本作品の受賞は、私たちにとっても嬉しいお知らせとなりました。

 なお、『熊あらし』についてのご感想やお問い合わせは、群像舎(電話:03−3267−3997)までお願いいたします。

熊あらしチラシ

●文化記録映画賞
【平成21年度(第7回)文化庁映画賞受賞一覧】
文化記録映画大賞
 作品名:嗚呼 満蒙開拓団
  製作団体名:株式会社 自由工房
文化記録映画優秀賞
 作品名:風のかたち―小児がんと仲間たちの10年―
  製作団体名:いせFILM
 作品名:平成熊あらし〜異常出没を追う〜
  製作団体名:株式会社 群像舎

【贈賞理由】
『平成熊あらし〜異常出没を追う〜』 監督:岩崎 雅典 2009年/61分
 岩波映画製作所で主に野生動物の記録映画を手がけ、今や群像舎の代表として野生動物ドキュメンタリー作品を作り続ける岩崎雅典監督の手腕に感服せざるを得ない秀作だ。2006年に熊が大量出没したことに疑問を抱いた岩崎監督が、2年に渡り軽井沢近郊に棲むツキノワグマを追い、マタギの継承者がなく生態系が崩れているところまで迫る対象への丹念な迫り方よ!『マタギ又鬼』(82)から27年、粘り強さと演出に磨きが増すばかりだと敬服。<寺本 直未>

 文化庁映画賞とは・・・
  http://www.bunka.go.jp/geijutsu_bunka/eiga_eizou/eigashou/index.html

●映文連アワード2009
【グランプリ表彰】
■最優秀作品賞(グランプリ)
 『平成熊あらし〜異常出没を追う〜』61分
  製作:(株)群像舎 自主製作
■文部科学大臣賞
 『名古屋大学から世界の頂点をめざして
      下村 益川 小林 3氏のノーベル賞への軌跡』27分
  製作:(株)日テレ アックスオン クライアント:名古屋大学
■経済産業大臣賞
 『帰ってきたもうひとつの遺産 綴TSUZURI 文化財未来継承プロジェクト』7分48秒
  製作:(株)電通クリエーティブX クライアント:キヤノン(株)
■優秀作品賞(準グランプリ)
 ○『難病患者の心をつなぐテクノロジー』
  (前編) 「伝の心」開発物語 13分40秒
  (後編) 「心語り」開発物語 16分10秒
  製作:(株)カジマビジョン クライアント:(株)日立製作所 / 日立インターメディックス(株)
 ○『白磁 井上萬二のわざ』 35分
  製作:(株)桜映画社 クライアント:文化庁
 ○『Kingyo』 25分
  エドモンド・楊(早稲田大学 大学院国際情報通信研究科)

【贈賞理由】
 グランプリを受賞した『平成熊あらし〜異常出没を追う〜』は<動物と人間の関係を通して日本列島の現在を広く深く考えさせられる作品。互いに適切な距離を保って平和共存してきた森の熊と里の人の均衡が崩れた70年代から、両者の不幸な出会いは多発するようになった。動物記録の豊富な経験を生かして「熊問題」の最前線を描くだけでなく、豊かさや利便性を求めて人間がもたらした国土の多面的な変化を丁寧に掘り起こし、共生復活への道筋を示唆している>と評価された。

 映文連アワード2009受賞作決定!
  http://www.eibunren.or.jp/top/eibunren-award2009_4.html

  玉谷


クマと出遭わないために

当団体のベアドッグハンドラー、田中純平が、NHKの番組「生活ほっとモーニング」に出演します。
本格的な秋山シーズンを前に、クマと出会わないためのポイントや、万一遭遇してしまった時の対処法などをご紹介する予定です。

直前のご案内になってしまいましたが、お時間の合う方は、ぜひご覧ください。

■日 時
  9月30日(水)8:35〜9:25(うち15分ほど)
■放送局
  NHK 総合
■番組名
  生活ほっとモーニング

  玉谷

頭上にも注意の時期です

すっかり涼しくなり、朝の気温が一桁になる事も多く紅葉が始まった軽井沢では、クマの食べ物も変化してきました。

8月下旬から、民家の軒下などにできていた蜂の巣を食べていたクマもいました。
蜂の巣と聞くとミツバチを連想される方も多いと思いますが、意外にも巣の中の幼虫を狙ってスズメバチの巣も食べています。

キイロスズメバチ


今年、軽井沢では写真のスズメバチが多いという話しを耳にしました。
そのスズメバチの巣が大きく目立つようになる夏の終わりの時期に、建物の軒下にできた蜂の巣を求めてクマが出没し、建物の屋根瓦や壁に被害が出た事もありました。

クマに食べられたスズメバチの巣の残骸

写真のように、こんなにも豪快に蜂の巣を食べます。
食べられた蜂の巣に周囲には、怒ったスズメバチが飛んでいる事がありますので、こんな食べ痕を見かけたら近寄らないように注意してください。
ちなみに、対応中の我がピッキオスタッフもスズメバチに刺されるという事件がありました。幸いにも事なきを得ましたが、中にはスズメバチの毒で無くなる方もいらっしゃいますので、十分に注意してください。
まだまだ巣を求めてクマが来ることもありますので、「我が家にも巣がある」と言う方は、クマの被害に合わない為にも、ご自身の安全の為にも、蜂の巣を専門の業者などにお願いして駆除することをお勧めいたします。
さてお気づきの方も多いと思いますが、少し前から道路がクリのイガでいっぱいです。
ピッキオスタッフは、今年はクリの実の付きが良さそうだと判断しています。
この時期になると…
そうです。クマがそのクリやドングリを求めて移動・出没しています。

クリ

写真のように、クリのイガを器用に外し、中の固い皮を口の中で中身と分けて器用に食べています。

クマも「旬」の食べ物を求めて移動・出没していますので、これからは木の実を求めて樹上にいる事も多いと思います。
みなさんも、バキバキと枝を折るような音を聞いたり、樹上に気配を感じたら、そこにクマがいるかも知れませんので、これからは頭上にもご注意ください。

春山

軽井沢の野生動物

 こんにちは、東京環境工科専門学校の野口と申します。
 ピッキオには8月の中旬からクマ対策班のインターンとして活動させて頂いています。

 私は今回初めて軽井沢に滞在しましたが、予想外の自然の豊かさに驚かされています。何しろクマはもちろんですが、早朝には別荘の庭にキツネがいるし、夜間クマの追跡を行っていると道路を大きなイノシシが歩いているし、日中にサルの群れが広場に現れるしと、私にとっては大変刺激的な経験でした。

   堂々と道を歩くサルたち もちろんクマもいました
       堂々と道を歩くサルたち         もちろんクマもいました(目が光ってます)

 ただ、それは野生動物との距離が近いということは摩擦も多いということで、クマに荒らされたトウモロコシ畑を見たり、サルの被害にあわれた別荘の方のお話を聞くと正直複雑な心境になりました。外部からたまに訪れた際に野生動物と遭遇できることは幸運なことかもしれませんが、その地にすむ人たちにとっては重大な問題です。

   収穫前に食べられたトウモロコシ   収穫前に食べられたトウモロコシ2
              収穫前にクマに食べられてしまったトウモロコシ

 ただ護ることばかりが共存の道ではないと、野生動物との接し方を改めて考えさせられる3週間でした。

インターン 野口大輔

クマ目撃情報

こんにちは。

先日、クマの目撃情報が寄せられました。
FAXでその詳細を送ってくださったのは、軽井沢草花館の館長、石川寛様。
その様子がとても分かりやすく、森の楽しみ方として皆様の参考にもなるかと思いまして、石川様の了解をいただきましたのでここにご紹介したいと思います。

とても素敵な文章です。ぜひご一読ください。

〜ここから〜

8月17日、国境平ー鼻曲山間で熊を目撃したので、情報をお伝えします。被害もなく、駆除をお願いするものではありません。

目撃は2ヶ所で、確実に熊と認識できたものと熊(の赤ちゃん)らしき個体の計2件です。

まず、はじめに目撃したほうから説明いたします。

8時10分ころ、林道(より)を進んでいると前方10m程の茂みで“ガサガサ”と何かの気配に気づきました。立ち止まって茂みを注意深く観察すると、オシダに半分隠れた黒くて、フワフワした毛をもった、子ウサギくらいの大きさの動物がいるのが判りました。こちらの存在にも気づいているようで、少しずつ離れていきます。しかし動き方は人間の赤ちゃんがハイハイしているようなぎこちなさで、ゆっくりした動き。1〜2m動いてはいったん休憩して、また動きます。離れていくにつれて、体が完全に茂みに隠れてしまった為、動物が何であったのか、確認できませんでしたが、赤ちゃん熊のようにも感じました。
近くに親熊がいるのではないかと、かなりの緊張がありましたが、しばらく様子をみて、動物の気配がなくなったのを見計らって先に進みました。


次に、確実な目撃情報

先の「らしき」動物に遭遇してから20分程鼻曲山頂方向に進んだ時(8:30頃)、歩行中、林道の右約50mの位置にある(たぶん)ミズナラの木が不自然にもメトロノームのように左右に揺れているのに気付きました。

 「熊じゃないだろうか?」と思った瞬間、相手もこちらの存在に気がついたようで、ものすごい勢いで滑り落ちるように降りてきて、茂みに隠れました。
 こちらの方は完全に熊でした。少し距離があった為なのか、熊もそれ以上興奮することなく、離れて行ってくれたようです。

 大きさは推定60kg前後でしょうか?100kg近くもある巨大なものでも、20〜30kgくらいの小型のものでもなかったです。
 首輪の有無は確認できませんでした。

 このあたりは標高1500mくらいの地点で、ちょうどカラマツの植林帯からブナ、ミズナラ、??カンバの生える自然林に変わったところです。
2週間前にもこの道を歩いており、その時すでにブナの実が落ち始めていましたので、「木の上のクマにも注意しないと・・・」と考えながら歩いていたときだったので、本当に驚きました。

 山に入る時は、熊よけの鈴を鳴らし、時々ホイッスルを吹きながらの歩行ですが、完全な対策にはならない様です。常に気をつけていることですが、油断はならないと改めて感じました。

 それでも、山中、いろいろな草花たちに出会えて良かったです。                         
090817目撃図