「マロコ」その後

7月3日にGPS首輪を付けたメスグマ「マロコ」は、無事に麻酔から覚めて動き始めました。
GPSは5分から10分に1回起動するように設定したので、数時間前までの居場所や移動経路が手に取るようにわかります。

マロコの軌跡
   10分おきの居場所をつないだ軌跡

ところで、クマの糞に含まれているものをみると、特定のものが大部分を占めており、彼らは歩きながらつまみ食いをするのではなく、一ヶ所に腰を据えて食べていることが想像されます。

そこで、マロコが滞在していた場所に出向き、痕跡を探すことにしました。
GPSを使った痕跡調査については富山県や栃木県などの研究者から聞いたことがあり、軽井沢でも機会があれば挑戦してみたいと思っていました。

沢沿いを探索中
      沢沿いを探索中

・・・いやいや、聞くのとやるのでは大違い。なかなか難しいですね。
確かに足跡や寝跡を見つけることはあるのですが、食べた跡となると空振りに終わることが多いです。

7月11日、やっと見つけることができました。

極新クワ糞
  クワの実がたくさん入った、ごく新しい糞

一頭一頭のクマの生き様を知りたいと願う我々にとって、「クマの糞」ではなく、「マロコの糞」を拾うことを可能にするGPSの技術は夢のようです。
これからも引き続き、マロコがいた場所にお邪魔させてもらい、いろいろ学ばせてもらいたいと思います。

あまり臭くない
食べたものにもよりますが、クマの糞はあまり臭くありません(と思います)

●この調査は「トヨタ環境活動助成プログラム」によって実施しています。

  玉谷
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いろいろ教えてください

一瞬の出会いはあっても、自然な姿をゆっくり見せてくれることは少ないのがツキノワグマです。
クマに装着した首輪からの電波は、私たちとクマをつなぐホットラインとなり、直接観察ではなかなか知り得ないことを教えてくれました。

電波を受信
        電波を探る

そして、GPSの時代がやって来ました。
GPSは人工衛星からの電波を捕捉して、クマの居場所を自動的に記録します。
機器によってはその情報を再度、人工衛星などに送り、少し前のクマの居場所を手元で確認することも可能にします。
高性能な分、やはり、値段はそれなりに高いのですが、この度、「トヨタ環境活動助成プログラム」の一環で、1台を用意することができました。

7月3日、山の中に仕掛けたわなで、ついにクマが捕獲されました。
体重60kgのメスグマで、GPS首輪を付けても支障が少なそうな、立派な体格をしていました。

黄金の月の輪
      丸い金色の月の輪

以前に捕獲されたことがあり、年齢査定の結果、現在は19才とみられます。
クマで言えば、初老のおばあさんにあたるでしょう。
きっと軽井沢の山を知り尽くしていて、経験に裏打ちされた、
賢い暮らしぶりを見せてくれるのではないかと期待しています。

GPS装着
      GPS首輪を装着

クマには負担を強いてしまいますが、ここで得られたデータはしっかり分析して、生息環境の保全に活かしたいと思います。
首輪が脱落するまでのしばらくの間、よろしくお願いいたします。

お願いします

  ピッキオ 玉谷

タマといざ東京へ

去る 7月9日(土)、タマと東京に行ってきました。

目的は東京スクエアガーデン6階の中央区立環境情報センターで開催された平成26・27年度の日立財団(旧:日立環境財団)「環境NPO助成」受領団体による活動報告でした。

当日は助成を受けた11団体の代表の皆様が、各地で行っている環境問題や保全、自然資源の持続的利用に関する取り組みを報告され、ピッキオからも、昨年度、日立財団様の助成を受けて進めてきました「次世代ベアドッグ育成、普及プロジェクト」について、話題提供させて頂きました。

tamananuq_2016071212244479b.jpg

また、休憩時間を利用させて頂き、私からはタマを紹介させて頂きました。

tama lecture

私が一生懸命ベアドッグの話をしているのに、なぜかタマはカメラ目線...(笑)

皆さん、野生動物の活動に直接かかわらない人も多かったのですが、すごく興味をもって話を聞いてくださいました。

当日、ご参加された皆様、そして、日立財団の皆様、本当にありがとうございました。

ベアドッグハンドラー
田中

タマは生粋のトラッカー!

タマとの初仕事は5月1日でした。

ある別荘地からクマの目撃通報。
直ちに現場に向かいました。

タマは荒削りなながら、しっかりクマの移動経路や糞を見つけました。

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その後も山間部では山菜採りの方が親子グマと鉢合わせて事故に会われたり、
住居地付近に若グマが出没したり、サクラの実やアリを求めて日中に目撃されるクマがいたりと、
ここ数年の中では町内での春先のクマ情報が比較的多い年で、タマも事あるたびに出動です。

5月以降、すでに40回ほど出動したでしょうか...
そして、タマをハンドリングをしながら感じることがあります。

彼女のクマの探索は素早く、正確で、さらに美しい!!
非常に軽快で、迷いがなく、滑らかなラインを描いていくんです。
まだ2歳で、今年が初シーズンとは思えない。

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地面の匂いと空気の匂いの両方を上手くとりながら、
クマへと近づいていく姿はまるで熟練ベアドッグ。

もちろん、これまでの訓練で、麻酔をかけたクマや駆除されてしまったクマの毛皮などを使いながら、
クマの匂いを覚えさせてきました。

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しかし、彼女にはトラッカー(探索犬)として天性を感じます。

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まだまだ課題はありますが、非常に利口で、飲み込みも早いので、
今シーズンだけでもかなり成長しそうです。

益々色んな経験を積ませながら、タマと共に新たな歴史を刻んでいきます。

田中 & タマ

ベアドッグのシーズンが始まりました。

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